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きょうは、皆様方に、そういう幅広い立場での議論をしていただきまして、私たちの時代だけでなくて、次の子どもや孫たちの時代が胸をはって生きられる、すばらしい、心の豊かな和歌山県をめざしていただきたいと願っております。行政、県民のみなさん、それぞれの立場におられる方がたが、お互いに手を取り合いながらしっかりがんばってゆこうということも本日のシンポジウムの大きなテーマとして、将来につなげていただくことができましたらたいへんありがたいと思います。

シンポジウムの実り多い成果を心から期待申しあげまして、お祝いのごあいさつといたします。

 

尾崎吉弘

和歌山市長

きょうは、「環境・交通・観光」を考えていただくシンポジウムを、私たちのこの和歌山市でもっていただいたことは、たいへんうれしく、光栄なことであります。

いま、知事からもお話がございましたが、最近では私たちのまちの環境というだけでなく、地球の環境、地球号の環境というところまで――足元から宇宙まで、環境がテーマとして採り上げられております。それが人間が生存をしてゆけるかどうかという一つの大きな関所であるかのようにも言われているわけであります。私も、この問題はまさにたいへん大事なことだと思っているところであります。

去年の12月に地球温暖化防止の会議がございましたが、そこでもCO2とともに、大気圏のオゾン層を破壊してはいってくる紫外線のあり方を変えてしまう元凶であるフロンの排出をなんとかしなくてはいけないと指摘されたわけであります。私も外国にまいりましてびっくりいたしましたが、紫外線のあり方が変わってきているから、帽子を被ってでないと外へ出てはいけません、半袖でなく長袖のシャツにしなさいと注意するようなところまで出てきているということであります。

CO2もフロンもそうでございますが、上空は国境もございませんし、府県の境もございません。大気が自由に行き来しますから、自分のまちだけどうにかしたってというようなことがあるかもしれません。しかし、自分のまちから始めることがまず大切だということで、フロンを回収する都市がいくつかございます。和歌山市としてはこの3月5日から、全国の都市では初めてフロンを回収して解体して大気中への排出をゼロにいたします。そして、和歌山市は中核市ですので、周辺都市からフロンも解体してもらいたいという申し出があれば、それに応じて対応してゆこうということにしているわけであります。これに対して、地球温暖化防止会議でも、たいへん高い評価をいただいたわけであります。

 

 

 

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