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来賓祝辞

 

西口勇

和歌山県知事

本日、「環境シンポジウム IN わかやま'98」が、盛大に開かれることをお慶び申しあげ、同時に、近畿運輸局、また実行委員会を組織されてご苦労いただいた皆様にもお礼を申しあげたいと思います。

いま、実行委員長からもお話がございましたが、昨年12月にCOP3ということで、京都で地球温暖化に関する会議が開かれました。いままさに、地球環境を守ろうというのは、国際的な大きなテーマであります。二酸化炭素の縮減計画などの議論がなされているわけであります。私どもといたしましても、21世紀にむけて地球環境をどう守り、どう改善してゆくのかは、これからの大きな課題であろうと思っております。

和歌山県は、佐藤春夫の「空青し、山青し、海青し」の詩に代表されますように、太古からたいへん優れた自然環境に恵まれております。それらをどう守り、将来にどうつなげてゆくのかということが、私たちの大きな責任であろうと思います。

いまちょうど、自然を愛し、同時に自然と友だちになろうということで、「ネイチャー・フレンドシップ運動」を和歌山県が提唱して、運動の輪を拡げております。自然を壊さない、自然と仲良しになろうと、全国的に約2,000名の会員が集まっております。明年は「南紀熊野体験博」というものを開こうとしています。これは、先に開いた「世界リゾート博」のような博覧会ではなくて、各市町村、地域地域を会場にして、約半年間の会期で開催します。和歌山のもっているすばらしさ、古い歴史・文化を再発見することによって、それらを将来に伝える一つのきっかけにしようというものです。同時に、和歌山県、広い意味で紀伊半島を、日本人の心のふるさと、21世紀に求められる心の豊かさを育むやすらぎの地として定着させてゆきたいというのが目的であります。

この博覧会を成功させようと、今年から全力をあげて準備にかかっておりますが、一面、私どもには大きな課題があります。和歌山の自然を愛し、歴史・文化を大事にすることは大きな柱の一つでありますれども、同時に現段階での県民のみなさまがたのニーズのなかで、道路を初めとした陸・海・空の交通体系の整備がいちばん高い割合を占めております。まだまだ弱い和歌山の経済基盤を高くするにはどのような施策が必要なのかについても考えてゆかなければなりません。

「観光」の面をとりましても、グリーン・ツーリズムであるとか、エコ・ツーリズムであるとか、自然とどう関わって、観光にどう活かしてゆくのかは大きな課題であります。同時に、和歌山県の場合は基盤整備がまだまだ必要であります。これらのことをどう調和させて自然と共生してゆくかも、大きな課題の一つであります。

 

 

 

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