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ですと一人位いいんじゃないかという考えで、1円位落としたって、ゴミ一つ位落としたって、というその一つ一つ、一人位というそういうものの積み重ね、特に自動車問題では、一人で乗った自動車の排ガスは大したことないんじゃないかという、その考えの人がドンドン増えてきたという、そういう不特定多数の問題がここまで大きくなってきたという特徴があるかと思います。

それともう一つ。昔の公害問題との違いというのは、被害者と加害者の関係ではないかなぁと思いますが、昔の公害問題というのは、被害者と加害者が全く別、加害者は加害者、被害者は被害者で別だったんですが、現在の環境問題、この交通安全問題もそうかもしれませんが、加害者、いつ私達が被害者になり、また加害者にもなる、加害者でもあり被害者でもあるという、そういうことがあるわけで、私達はもっと加害者の立場を意識しなければいけない、この交通問題、安全問題に対してもそうだったと思うんですね。

加害者になったら、という問題、それから被害者は嫌だけれども、加害者はもっと嫌というか、そういう加害者の立場も考えなければいけないと、それと安全問題にもまた共通しているかなと思うのは、一番の被害者というか、交通事故でたくさん亡くなる方がいますが、残された家族が泣く、悲しい思いをいたします。環境問題も私達加害者である私達の世代よりももっと影響を受けるのは、私達の世代の次の、私達の孫位の世代が一番影響を受けるかなと、そんなことがございますので、今日の交通安全と環境問題の共通点、私達もうちょっと原点に戻って、私達の本当の人間としての在り方をもう少し考えるところが大事なのかなというのをちょっと感じました。

 

長谷川:

どうもありがとうございました。

先程ですね。北條先生のお話の中に、12月に京都で開かれます気候変動枠組み条約第3回締約国会議、大変難しい名称の会議なんですけれども、COP3という名称の会議が開かれます。

そのCOP3の焦点というのは、先程北條先生のお話にもありましたように、2000年以降の二酸化炭素の排出量をどういうレベルにするのか、2010年時点で1990年と比べて7%削減ということで国際間の合意ができるかどうかということが、新聞報道等で聞いております。

そうすると、7%削減というようなことをいい出しているヨーロッパの国々国なんかは、恐らく今のうちから速めにブレーキをかけておきましょうっていう、考え方ではないかと思いますね。

他方、アメリカとか、7%は無理だよっていっている国は、ある意味ではまだまだブレーキをそんなに、かけなくてもいいんじゃないのとか、あるいはそのブレーキをかけ過ぎちゃうと経済が風邪をひいちゃうんじゃないかとか、そういうことを心配しているのかもしれません。

 

 

 

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