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いろんな方々からアンケートを取りましたら、やはり一番問題なのは、自分の車じゃなくても自由に街の中が歩けるようになりたいと、これがやはり軸でありました。そしてなおかつ、この話とは直接関係ないかもわかりませんけど、街の中に住みたいんだと。街の中に住むことによって人生豊かになるんだという話のアンケートが一番たくさん出ておりました。

この公共交通機関を、じゃぁどうしたらいいかということになりますと、今でさえ赤字だと、バスにしろ電車にしろ、赤字だということ出てますけども、じゃぁ料金が安いのかというと高すぎます。これはどっかに欠陥があるんですね。それは走行時間ていうんですか、営業時間ていう非常に長くかかるために一台の車でたくさん運べないとか、あるいはマイカーが便利なために、過疎地帯はバスの乗降数が少ないとか、極端にいうとタダにしたらどうかという論理ままで持っていくのは、これからの公共交通の在り方だと思います。

タダっていうのはひとつ例があります。鎌倉でですね、昨年から日曜日にマイカーを禁止したんです。関所を設けましてですね、そこから入って来る時にいわゆる利用税を、侵入税を取ったわけですね。それ取らない人に対しては、江ノ電ていう電車があります。市電があるんですね。これの五百円位の券を出したと。そしたら90%の人がそれに賛成だったというんですね。これはまあ、通勤じゃぁりません。行楽客になりますけれども。ものはやってみるもんだなというのが鎌倉の人のお話しでした。

私はバス網をどうやってつくるか、それから軌道系の電車をどういうふうにするか、仙山線が北仙台から落合まで、これは日本で最も長い駅のない区間でありました。その間に東照宮をはじめ四つの駅を作りましたら、乗降客がどんと増えました。もちろん時間帯でも十分おきの電車になったわけです。だから問題なのは、使う人の利便性ていうことを頭に入れた施策さえ組めば乗ってくれると思います。仙台市営にしろ宮城交通バスにしろ、同じ路線を両方で走るなんていうのはナンセンスです。

バスっていうのはひとつ問題があるんですね。ここでいっては悪いことかわかりませんけれども、市会議員が横車をしてバスの路線を変えさせないって、あるいはむりやり通させるっていう論理がありますね。こんなことやっているようじゃ、公共交通機関はきちんと整備できないと思います。やはり民意によって隈無く街の中を、まあそういってもバスの駅勢圏ていうのは300mから400mといわれているんですね。軌道系ですと約500m位だといいわれています。しかし歩くことも健康の管理で重要なことでありますので、その駅勢圏を400m位にしてバス路線をきちんと組んでいった時に、どういうようなバスの体系があるのであろうかと。それからどういう間隔で走るらせるであろうかと。この二つをきちんと検討した上でマイカーを締め出すということをやらない限り、公共交通機関は、私は安定しないと思います。

公共交通機関を安定させるということはですね、先程北條先生がお話になったように、一人当たりの公害に値する排出が減ってくるわけですから、有利になるわけですね。そんなことで、私は短い時間の中でいろんな例を挙げることできませんけれども、このバス、

 

 

 

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