フロンガスを使った物を捨てる時にはきちんとそれを回収して分解して捨てるようにしなければいけないかと思います。
ちょっと時間が迫って参りましたが、最後に健康の影響をちょっとお話したいなと思います。
自動車がもたらす健康の影響です。
私がこの環境問題に入ってきましたきっかけは、私はもともと基礎医学を研究していたものなんですが、この環境問題を専門にやりたいと思ったのは4年前から尚絅短大に移りましたけれども、この私達の健康に及ぼす環境の影響が非常に大きいなということをひしひし、その基礎医学の研究をしながら感じたことなんです。これは日本人の死ぬ原因を示したものなんですが、ご存知のように癌が1位、心臓病が2位、脳卒中が3位です。この癌の中で、一番増えている癌が気管支と肺癌なんですね。これはですね胃癌と気管支癌・肺癌を男女別に、これが、縦軸が死亡率ですから10万当たりそういう癌で死んだ人の数を示したものなんです。
昔は、死亡率のトップは胃癌でした。ところがこの肺癌、男性は特に凄い勢いで増えておりまして、1992年にここで逆転致しまして、今死亡率の第一位になっております。なんでこんなに気管支癌や肺癌が増えるだろうかということを考えますと、やはり大気汚染が問題ではないかなと考えられます。私達は、一日にこうやって意識しないけれども呼吸を毎日毎日しておりますよね。そして一日に私達が呼吸をする量っていうのは、大体酸素が空気としては12キログラム、それから容量でいきますと石油缶に720缶分位の空気を毎日毎日吸っているわけです。ですからこの空気の中に有害物質がほんの微量でも入っていますと、毎日毎日吸っているので非常に影響が大きいんです。
この大気汚染との関係で問題になっているのが、アレルギーが増えていると。アレルギーっていいますのは、喘息とか杉花粉症とかアトピー性皮膚炎とかアレルギー性鼻炎とかいうようなものなんですけれども、20年間で7倍にもアレルギーが非常に増えている。なんでこんなにアレルギーが増えているだろう。今ここに皆さんいらっしゃる中で約三人に一人の方がなんらかのアレルギーを持っているというふうにいわれておりますけれど、なんでこんなに増えているかというと、大気汚染が原因ではないかなというふうに色々いわれております。
それで大気を汚す原因の中に、自動車排ガスが非常に問題になっているわけですけれども、じゃぁ自動車排ガスの中で健康に悪い影響を及ぼすような成分というのはどんなものがあるかといいますと、まずはディーゼル粉塵です。あのモクモクと出る黒い煙、あれは発癌性、癌を起こす、肺癌を起こすということがはっきり動物実験でも確かめられております。それからブレーキなんかに使われておりますし、排ガスの中にも含まれているアスベスト、これも発癌性が認められてますし、ベンツピレン、みな発癌性が認められています。今ゴミ処理場で問題になっておりますダイオキシン、これも自動車排ガスの中に含まれてきます。このように自動車排ガスはですね、いろんな有害物質をたくさん含んでおりまして、