食糧危機が起こるだろうといわれております。日本は、皆さんご存知のように食料の大部分を輸入に頼っている国です。ですから食糧危機が起こった時に一番日本が困るんじゃないかなという、この食糧危機の問題。
それから生態系への影響では、私達の生態系っていうのは10年で0.1度の適応しかないんですね。そうすると、その位のゆっくりした適応ですとまだ生態系が適応できる。ところが今のこの温度の変化っていうのは、10年で1度という非常な速度で上がっておりますので、生態系がついて行けずに、絶滅の危機をする生物がたくさん出てきているという問題がございます。
それから健康への影響では、非常に感染症が増えております。これは日本なんかではマラリアとかそういう病気っていうのは熱帯・亜熱帯の病気で、日本で蔓延することはないといわれている病気ですが、地球温暖化がこのままいきますと、日本の西半分までがマラリアの流行地帯に入るだろうといわれております。
それからつつが虫病のような病気ですね、つつが虫というもので起こる病気なんですけれど、そういうものが日本でも1985年あたりからパアッと増えている。これはどうも温暖化の影響ではないかというふうに専門家の間でいわれておりますが、このように温度が上がるということが、そういう動物を媒介するような感染症を非常に増やす。それから二酸化炭素の濃度が上がるということもその動物の成育を高めるようなことになりまして、感染症が非常に増加するのではないかということが心配されております。
さて、このような非常に重大な影響をもたらす地球温暖化なんですけれども日本はどの位の温暖化の原因の二酸化炭素を出しているんだろうかということをちょっとまとめたものでございますが、皆さんご存知とは思いますけれども日本は世界で第4番目の二酸化炭素の排出国なんですね。それで、全世界の約5%の二酸化炭素を日本一国で出しております。アフリカ大陸・南米大陸全体よりも多い二酸化炭素をこの日本という小さな国一国で排出しております。日本の一人あたりの二酸化炭素の排出量は年間約2.6トンです。これは、インドの約10倍、ネパールの100倍にもなるという。それで、世界の人口の、先進国の人口っていうのは22%なんですけれども、その22%の先進国がですね世界の中の60%近くの二酸化炭素を排出してこの温暖化の原因を作っているということで、この温暖化問題は南北問題、発展途上国と先進国の問題ということが大きくクローズアップされた問題でもございます。
さて、じゃぁ、そういう問題に対して車が、今日のテーマであります自動車がどの位関与しているんだろうかということをまとめたのがこれです。これは日本のですね、二酸化炭素の排出量を部門別にまとめたデータなんですけれども、まずはエネルギー関連が91.7%で、エネルギー関係の殆どを二酸化炭素の排出で占めています。
その中でも部門別に見てみますと、産業部門が41%、私達の生活に関係している民生部門で、家庭が22%、それから事業所が11%、そして運輸部門が19%、この二酸化炭素の排出量の約5分の1を、この運輸部門が占めているというふうな現状がございます。