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パネルディスカッション

「北海道の運輸部門における地球温暖化、大気汚染防止への取り組みについて」

 

池田 京都での温暖化防止会議が10日後に迫ってきました。あれだけ事前折衝した会議でも、あれだけもめている。自分の国だけはなんとか経済の成長を落としたくない、うちにそういう規制をされても財政的な支出もできないとか、成長をストップするような規制はやめてくれ、数値を決めることはやめてくれということで、各国の激しい駆け引きが続いているわけです。しかし、その一方で2000年くらいになると、いまより2度くらい気温が高くなってしまって、海面も50センチくらい上がってしまう。地球が温暖化されれば干ばつや洪水が来たり、水面下に浸る部分が増えて伝染病が流行ったり、食料が不足したりと、いまの状態では実感できませんが、われわれの子孫のことを考えていくと、いまからみんながこの問題に目を向けて取り組んでいかないと、大変なことになるだろうということは想像にかたくないわけです。

先日、お医者さんと話をしていましたら、地球温暖化の問題は糖尿病と同じだというようなことをおっしゃっていました。このまま放っておけば将来、目が不自由になったり、心臓に負担がかかったり、脳梗塞になったり、重い合併症につながっていく。それと同じように、地球温暖化の問題もいまから考えなければいけない。少し便利だからといって車に安易に乗っていないか、エネルギーの節約とともに、環境保護のために大切に車を使うとか、効率的に使うなどの工夫を一人ひとりが心掛ける時代がやって来たのではないでしょうか。

北大の先生から、専門家としての様々なお話を伺いましたが、私は専門家ではないので、素人という立場から、ここにいらっしゃる方々にも分かりやすい言葉で、分かりやすいお話をしたいというか、会場のみなさんと一緒に考える司会、進行をさせていただきます。

最初に、大きな国際会議を間近に控えた中で、地球温暖化の問題、大気汚染の問題をどう認識されているのか、といったあたりから簡単にお話いただきたいと思います。

大友 北大の加賀屋先生のお話を伺うまでもなく、トラックを含めた自動車部門が、環境汚染の大きな要因を占めているということは、十分認識しています。当業界としては今年「環境保存対策推進のためのアクション・プログラム」を策定し、低公害車の導入を初め、アイドリング・ストップ運動の強化などを積極的に推進しています。

また「ディーゼル車ができる環境に大切な思いやり」というテーマで、今年も10月1日から10月31日まで、バス業界さんともども「'97ディーゼル黒煙キャンペーン」を行いました。このキャンペーンは、急発進、急加速、空ふかしなどをやめ、環境に

 

 

 

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