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ているようです。環境の負荷を少なくするための地下道路をどうつくったらいいかを考えなければなりません。

最後のまとめとして、必要な考え方を7つほど示します。

まず、ハード技術の関連から、ハイソフトの対応がどうしても必要になってくる。言うのは非常に簡単ですが、実際にはどうしたらいいのかは非常に時間が掛かります。いろいろなやり方を考えていかなければなりません。また、低燃費車の開発と利用実態の改善があります。次には公共交通機関の整備と利用の促進、情報をどう的確に流すかということも一つの考え方です。TDMの考え方をいかに複合的に、総合的にやっていくかも、これからわれわれが考えていく一つのポイントになってきます。できるだけ交通実験をしながらTDMの可能性をその地域に求めていくという考え方もあります。地域参加システムもどんどん入ってくる。さらにパートナーシップによる交通施策づくり、これは公共的な部分でいろいろ考えられていますが、市民や専門家、市民ボランティアも含めた形で進めていく必要があります。

最近札幌市でやった都心循環バスの実験は、これから発展性のある考え方かなと思っています。乗車した方も予想より多く、そういう意味で非常におもしろい計画です。また小樽では、まちづくり協議会が路面電車を旧手宮線に走らせようと市民運動をしています。こうしたことを、できるだけサポートできるようなシステムが、これから大事になってくるのではないかと思います。小樽の市長さんも「前向きに考えます」とお話しています。これはイギリスの例ですが、市民と大学、役所、民間企業の参加で、ある地域に2000年にはどんなシステムを考えたらいいか持続的開発をしようとしています。

われわれも様々な工夫を考えています。さっきの地下道路の話にもありましたように、右に転ぶか左に転ぶか、非常に微妙な部分があります。交通はまさにそんなかたちのもので、うまくいけば非常にプラスになるが、やり方をちょっと違えば環境負荷が多くなる可能性も出てくる。誘発交通量がどんどん増えてしまって、逆に渋滞を起こすケースも多くなります。どっちにも転ぶようなものの考え方を、どうやって評価していくのかということが非常に大事です。新しい交通文化をどうつくっていくか。われわれみんなでパートナーシップをつくって、考えていくべきではないかと思っています。

 

 

 

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