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れると対応の悪くなるところが目立ってくる。例えば、図4.9では紋別レーダと枝幸レーダの境目付近に海面が見えているが、図4.8のRADARSAT画像には対応する黒い海面が見られない。これは流氷レーダは地上から電波を水平に近い入射角で発しているために、遠くになるほど見えにくくなることに起因していると思われる。

図4.10から図4.11には、気象庁の海上気象課でルーチン的な海氷解析作業に使われているひまわり画像とNOAA画像を示す。これらの画像と、海上保安庁や自衛隊による航空機、船舶による観測、また流氷レーダの資料を加味して図4.12のような海氷解析図が作成されている。可視画像では雲と海氷の判別に職人的な経験を要し、なかなか困難な作業であることが想像される。この日はまだ晴れ間が見えているものの、冬季は雲にびっしりと覆われることも多く、可視画像を用いた海氷解析作業は非常に難しい。RADARSATのようなレーダ画像がルーチン的に入手できるようになれば海氷解析作業も容易になり、またその精度も飛躍的に高まることが予想され、冬季オホーツク海の海上安全確保に大きく貢献することは間違いない。ただ、画像取得のための経費的な面が大問題である。

 

 

 

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