日本財団 図書館


3.4 海氷密接度推定アルゴリズムの比較および検討

 

3.4.1 使用データ

 

使用したデータは、National Snow and Ice Data Center提供による、北極を中心とした極域のDMSP F-11 SSM/I輝度温度データセットで、ここからオホーツク海およびその周辺域を抽出したものである。これは1グリッドが約25km×25km(19, 22, 37GHz)の1日1回のデータセットからなっており、今回は1993〜1994年冬季について解析した。なお、図3.14は参考として94年2月20日の19GHz, Hの北極域における輝度温度分布を示したものである。

 

3.4.2 密接度の推定

 

(1) NASA Teamアルゴリズム

 

このアルゴリズムを使用して計算された海氷密接度の分布が図3.15(a)である。これは、Cavalieriによる北半球の極域用のパラメータ(表3.2)を計算に使用した。

なお、ここではweather filterとして、GR>0.05となるような条件のときには、密接度がゼロとなるように設定してある。

 

このアルゴリズムは、本来、一年氷と多年氷の混在する海域を対象とし、さらに両者と海水域との違いをはっきりさせようとしたものである。Bootstrap(Comiso)アルゴリズム(図3.15(b))や可視画像(図3.20.1(b))との比較をすると、オホーツク海では若干、密接度が低めに表わされる傾向があるように見える。また、ここで用いたweatherフィルタのしきい値が北極海全域を対象としたものであるためオホーツク海に適合していない、ともされている。

 

(2) Bootstrap(Comiso)アルゴリズム

 

このアルゴリズムを使用して計算された海氷密接度の分布が図3.15(b)である。これは、図3.16(a)に示すように37Vと19Vの観測輝度温度分布から海氷と海水域の代表的輝度温度位置を決定し、密接度を求めた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION