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は し が き

 

日本は台風や発達低気圧および集中豪雨や豪雪等の多様な気象が現れる地理的環境にあります。このような環境において、発達した気象による災害を防ぐためには、予報精度の向上、気象情報の迅速な提供、異常気象時における対策等が重要であります。

気象予報の精度は、電子技術の発展と相俟って、数値気象モデルの高度化および観測データの充実等により、向上してまいりました。特に、気象衛星「ひまわり」による雲観測等により、天気予報の精度は向上してきております。

一方、1970年代に始まった衛星による地球観測技術の研究開発が進み、現在では多くの分野で実用化されつつあります。海洋観測に関しては、海面水温、黒潮の流速、波浪の方向スペクトル、波高、海氷等の計測が可能になってきております。これらの観測技術は今後、それぞれの業務目的に即した研究開発を経て、実用化されるべきものであると考えられます。

本研究では、海氷と波浪の監視及び予測を目的として、衛星による海氷・波浪の計測処理技術および海氷シミュレーションモデルの調査研究を行います。これらの成果は船舶の安全航行、天気予報の精度向上、および地球温暖化に代表される気候変動に関する貴重な情報を与えるものと考えられます。

この研究は日本財団の平成9年度補助事業により実施したものであります。研究開発を推進するにあたり、ご指導を頂きました委員の方々に厚く御礼申し上げます。

 

平成10年3月

財団法人 日本気象協会

会長 町 田 直

 

 

 

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