教え込みでは、真の理解は得られず、環境問題解決の能力や行動とは結びつきません。このことを踏まえて、新しい教育である環境学習は、まず気づくことから始まる体験型の学習なのです。
なにかに気づけば、もっと幸せに生きられるかもしれない。私たちの子孫も生きていけるように、今、その「なにか」に気づくことが大切です。
環境についても、豊かな感性を身につけ、気づくことから始めましょう。
今日一日、なんの感動もなかった。そんな生活が続いているとしたら、環境に問題があるのか、感性がにぶったのかをチェックしましょう。
私が普段よく行っている自然観察会は、多様で絶えず変化する自然を観察の対象とすることによって感性を豊かにし、気づきをうながします。そして次に、環境学習は、環境問題が起きる仕組みを理解するために、環境にかかわる人間の活動、自分自身のライフスタイル、社会の仕組みを調べる、理解する知識や前向きな姿勢や手法を身につける参加型の学習です。更に、お互いどうしが身近な、また地球規模の環境問題に気づき、お互いに話し合おう、手を出そう、口も出そうという環境問題の解決行動を起こすことを最終の目的としています。
(12:45〜)
スライドを交えて開発の危機にさらされている里山、谷津田の風景を紹介し、開発と自然環境保護の関係について今後、どこにでも起こりうる問題として提起。
13:00〜13:10
鈴木優子氏と小川かほる氏のトーク
スライドにより提起された開発と自然環境保護の関係についての問題を切り口に、開発側(小川氏)と自然環境保護側(鈴木氏)に分かれてトーク。
小川 例えば、区画整理事業などの開発は、道路、下水等が整備され、土地の値段も上がり、地元の人が豊かになるのでは?
鈴木 本当に地元にお金が入って豊かになるのでしょうか。お金で買えないものもあります。経済的な価値だけでなく環境の価値も考えてください。
小川 開発は、建設業などの雇用を増やすのではないですか。今の農業は後継者がいないのではないですか?
鈴木 確かにそういった面もありますが、現状の環境を85%も改変するような区画整理事業は、やはり自然破壊です。また、開発はその時だけの経済的な価値しか生みません。そのため、将来に渡って次々と開発することとなってしまうのです。
小川 地元の人が区画整理を望んでいるのに、よその人が何故とやかく言うのですか?
鈴木 自然環境はその地域だけの問題ではありません。将来に渡って全ての人々にかかわる問題です。やはり、気づいた人が声を上げていきましょう。
13:10〜13:50
グループディスカッション
講演で提起された開発と自然環境保護の関係について、トークをヒントに「今の事例で何が問題なのか」を各班(7班)で整理。
13:50〜14:25
発表
各班でディスカッションし整理した「何が問題なのか」を各班の代表が発表。
・公開されていない問題がある。
・この事例が、環境学習のテーマとして適当か。
・自然保護と開発とのバランスが問題だが、バランスを調整する行司役がいない。
・開発に関しての情報公開制度がしっかりしていない。
・自然の評価がしっかりなされていない。
・ただ開発に反対するのではなく解決策を提案するべき。
・自然と開発の共存、地元の人々と新住民の