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シップを何のためにしていくのか、どういうふうにしていくのか、改めて皆さんといっしょに考えてみたいということで、こういうテーマにさせていただきました。

私自身の考えとしては、パートナーシップというのは、社会を持続可能で多様な命が共生できる新しい社会に変えていくために取り組むものだと考えています。このシンポジウムもシンポジウムだけで終わるのではなくて、これをきっかけに千葉のいろんなところで市民と企業、市民と行政のパートナーシップによる地域づくりが進んでいくといいな、そういう地域づくりが積み重なって、千葉全体が持続可能な先進的な地域に変わっていくとすごいな。そういう千葉が日本をどんどん引っ張っていけるようなところになってほしいという思いを込めて、お話をさせていただきたいと思います。

まず、「環境パートナーシップオフィス」という言葉を聞いたことがある方、多分ほとんどいらっしゃらないと思うんですが、ちょっと手を挙げていただけますか。だいたい3%ぐらいですね。自己紹介を兼ねて「環境パートナーシップオフィス」について紹介させていただきます。

「環境パートナーシップオフィス」というのは、環境庁が1996年からスタートした環境パートナーシップ事業を進めていくための組織です。NGOでもなければ外郭団体でもなく、企業でいえば、プロジェクトチームのようなもの、市民団体の言葉を使えば実行委員会のようなものです。パートナーシップによる環境保全型の地域作りが全国各地で生まれるよう、支援していくような事業を進めたいというのがまず環境庁にありました。そして、パートナーシップを進めていく事業を企画したり、進めていくこと自体から行政の職員だけでやっていれば、きっと市民の参加も、企業の参加も得られないだろう、何が必要なのか、どういうことをやっていくのかというところから、市民と企業とそして環境庁の職員がいっしょになって考えて進めていこうというコンセプトのもとに作られたものです。

現在、環境庁の職員が2名、私のような市民団体をバックグラウンドに持つ人が3名、企業をバックグラウンドに持っている人が1名、計6名でいろいろな事業を企画運営し始めているところです。私が所属しているのは「日本リサイクル運動市民の会」という、20年前にリサイクル運動から始まった団体で、「らでぃっしゅぼーや」という有機農産物の宅配事業を一番大きな事業にしております。市民団体から派遣されて、この「環境パートナーシップオフィス」で仕事をさせてもらっているという立場です。

だから、本日お話させていただくことも市民団体やNPOといった視点が強いと思います。ただパートナーシップ事業を進めていくにあたっては、環境パートナーシップオフィスのメンバーと「いったい何のためにパートナーシップはあるんだろうか」「パートナーシップっていったいなんだろうか」ということを最初は延々と議論しました。

意見もちょっとずつ違ったりしたんですが、そういう議論の中で「こういう方向だよね」と、合意できたところを基礎にしながらお話させていただきます。市民団体のひとりよがりでこんなことを言っているのではなく、行政の人も含めて、こういう方向で社会を変えていけたらいいなという合意のもとに進み始めているということもおことわりしておきます。

 

環境パートナーシップってなんだろう

 

まず、環境パートナーシップってなんだろうとういうところから始めたいと思います。それを考えるにあたって、環境問題の特徴というものを考えてみたいと思うんですが、今、地球温暖化とか酸性雨とかごみの問題とか熱帯林の伐採とか、さまざまな環境破壊、環境問題があち

 

 

 

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