ております。このように、期せずして同じようなバックグラウンドの人が全く正反対の言い方をしておりました。
そこに、今のアジアにおけるアンビバレントな感覚が出ていると思います。一つは、IMF、その背後にアメリカがいるわけですけれども、もういい悪いの問題ではなく、これを外圧としてでも利用して改革していくのだという意思です。韓国の場合は、インドネシアなどと比べると、幸いなことに政権がかわりましたから、悪いことはすべて金泳三政権のせいにするということで、政策オルターナティブが出しやすい状況です。そこに外圧をうまく使おうということで、国民の間でも「臥薪嘗胆」の気分がかなり見えます。
欧米のマスコミはかなり嘲笑的に書いていますけれども、ご婦人方が金のネックレスとかブレスレットなどをドネイションしています。国会議員も全員が同じように金を家から持ってきてドネイションしているそうです。
これなどは私はむしろ感動しますね。アジア的風景には違いないのですけれども、国民が、自分ができることから始めるということです。全部政府に要求するというのではなく、何かできることはないかと参画するというコミットメントも含めて、国づくりにはこういうことが必要だと思うのです。タイのチュワン氏が「韓国に見習え」ということで、タイでもやっています。タイではどこまでうまくいっているのかわかりませんけれども、韓国のご婦人方の金の運動は2億ドルになりました。こういうことも含めて一方で、新しい国づくりへの意思、そのときに財閥チャーボルを大変革するというようなことも含め、さらには市場を思い切って開放していくということです。
もともと金泳三政権のときに首相を5人代えましたけれども、一番長くて2年間くらいやりました。イホンゴに言わせますと、「そのときに彼らが中心になってやったのは世界化(セゲーホア)グローバライゼーションで、実際、その方向もねらいもよかったのだ。しかし、これが不十分だったから、今のこの韓国のざまがある。財閥改革にしても、金融改革にしても、セゲーホワはみんな入れた。これはグローバルスタンダードであって、それでアングロサクソンにやられてしまうとそういう問題ではないのだ。第三次産業革命が起こっているが、これは金融と情報と通信とサービスでスタートしたわけだから、その波に乗らなければいけないということで始めた。しかし、それが既得権益の抵抗でできなかった。できなかったことが今回の原因なのである」と、こういう言い方です。