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のように、キャリアのポリティカル・アポインティーを作るかどうかということなのですね。でも、それには官庁は絶対に反対なわけですよ。大使になれないとか、局長になれないと困るというわけです。だけど、それをやらない限りは、弁護士をいくら増やしてもだめなわけです。もちろん、スモール・クレームス・コート、その辺はいい。しかし、行政がわからない、中で育った人しかできないから、そのインフラをどうするかとなるわけです。ぼくのアイディアでは、官庁を少なくして、みんな弁護士にして、今まで官僚がやっていたことを、民間側でやればいいというものなのですが、だめでしょうかね(笑)。

D 副大臣制は、いずれは民間人を入れていこうということも考えています。

司会者 はい。議論をいろいろしたのですけれども、私も経済学者ながら、最近は法律のことをどうしても言わざるを得なくなってきているわけです。しかし、私なんかが法律について発言すると、ものすごい反発があって、まさに専門家の壁というのがいかに大変かとなるわけです。そういった中で、田村先生のように、こういう発言をされるということは、大変勇気のいることだと思います。

この新しい財団では、日本の改革に向けて、こういったテーマをぜひ中心に据えたいと思っています。当面、例えば行政が何もやらなくなったら、その分、その仲裁者としての司法は、すぐにでも役割が認められてくるわけで、700人から1,000人に増やすというようなレベルの問題ではないと思います。設置法をどうするかというようなことも重要であると思います。だから、これからすぐ出てくる政策問題が、たくさんあると思うのです。

一方で、いわゆる英米法ではない、大陸法的なもの、しかし、その中でもかなり偏ったと思われるようなシステムを、どうやって長期的に体系そのものを変えていくかという、非常に大きな、ある意味では絶望的かもしれないけれども、動きがあるわけです。その点で、またぜひ議論をさせていただきたいので、いろいろとご示唆を頂戴したいと思います。

今日は、お忙しいところ、どうもありがとうございました(拍手)。

[文責事務局]

 

 

 

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