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逆に非常な混迷に落ち込んで、どんどん衰退していくというわけです。それを乗り越えるためには、日本としての自意識を持って、改革をしなければいけないけれども、「追いつき型近代化」から、「創造革新」あるいは「共生」といった基本的パラダイムで社会を変えないと、日本自体が衰退してしまうという認識を持っています。だからこそ、単なる建前論ではなくて、こうした法制度の改正についても、実体化していくための努力をどうするかということをやらなければいけないと感じています。

特に、行政が非常に優位過ぎるのが、アメリカと非常に対局的なのですけれども、われわれもいかに行政をコントロールして、立法府の優位を回復するかということに非常に力を注いでいまして、私も国会改革のプロジェクトの座長をやっていますけれども、いろいろなテーマを考えています。具体的に法案化したのは、例えば新進、民主、太陽の三党で共同提案していますけれども、政府委員の廃止と副大臣制度の導入という形で、何でも役人が出てきて、国会で答弁して、大臣の答弁はほとんど形式的に終わって、実質的には役人が政策の中身まで、答弁を通じてコントロールするのを全部廃止するために、政府委員制度を原則廃止してしまって、全部政治家が答弁するという形に直しています。

それから、今の議員内閣制においては、大臣と政務次官しかいないのですけれども、とてもこれだけでは、いくら優秀な人がきたとしても、行政府をコントロールできないです。経験的にみて、少なくとも10人程度の、少数精鋭の優秀な政治家のチームが官庁に行って、要所要所を押さえる形にしないと、とうていコントロールできない。質、量共に増やして、大臣1人と副大臣2人、局長クラスの政務官等6人まで設置することを考えています。すでに法案化しまして、今国会に提出しているわけです。そういった意味では、行政優位から、立法優位型へ転換する方向へ、今かなり動きつつありまして、おっしゃっていること以上に、議員立法は、今急激に進んでいるという状況でございます。

それから、今までの行政型だと、国が証明したひとつの目的なりを追求することにおいては、非常にいいと思います。縦割り型で、効率的だと思うのです。あるいは執行面でいいですけれども、新しい、全く不確実な世界で方向性を判断したり、新しい目標を設定したりといった、クリエーティブなことでは逆に足を引っ張る構造になっていまして、これを変えるためにも、立法優位に変えていかなければいけない、そういう思いが

 

 

 

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