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2. 質疑応答

 

司会者 大変示唆に富んだお話をありがとうございました。

非常に多くの論点があったと思いますので、12時までご自由にご議論いただきたいと思います。どうぞ、どなたからでも。

ひとつすみません、確認なのですけれども、先ほど設置法の話がありましたね。あれはもう、全くその通りだと思うのです。要するに、前の役所の人が新しくできた省庁に関して同じ設置法を書いたとしても何も変わらない。これは、日本にはいわゆる権限法というものはないわけですね。逆に権限の書き方があいまいであることによって、設置法によってテリトリーが決められている。権限があいまいで、領域だけ決まっているから、その範囲のことは何でもやれるのだという解釈になっているということでよろしいのでしょうか。もしそうであるのならば、権限法を書き加える。権限法というのも、非常に大きなものになりますから、ちょっとした、行政権限基本法みたいなものですけれども、そういうところの責任を持って作ることによって、ひとつの問題をクリアできると考えていいのか、その点いかがでしょうか。

田村 基本的には司会者のおっしゃる通りでいいと思います。ただ、組織法の中にも、何かの目的のためにどうこうすると書いてあるようなところがあるわけです。その範疇に、権限となっている部分もあるわけです。ですから、ただ単に、こういうことを管轄する程度だけで終わっているものならば、まだ権限までは定めていないと言えるでしょう。しかし、もう少し突っ込んで、権限までを示唆するようなものが、実際には存在するということがまずひとつあります。ですから、結論から言いますと、組織法は組織の在り方、これはアメリカのを少々見てみたのですが、要は、何何オフィス、何何課があってということしか書いてないわけです。それを設けてから、権限に関するものに関しては、やはり別個の法律できちんと定めろというわけです。ただ、構想日本などでの議論では、あまり最初からそういうことを言ってしまうと抵抗があるので、権限は権限法という形で書き、2つに分けてわかるように書くことを提案するのはどうかという話が出ているようです。そうすると、役所が権限を書こうとするとき、今度は書き方を慎重にせざるを得ないということになると思います。

A なぜ行政がオールマイティーかという話を、田村先生がジョージタウンで教えられて、私はこの秋にバージニア大学で全く同じ問題を話したのですが、日本のことを説

 

 

 

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