日本財団 図書館


添 付 資 料

 

日本人海外旅行者の現状と動向について

 

本日は旅行会社の立場から、本地域における観光促進のための条件整備についてお話しさせていただくことになっていますが、ここでは日本人海外旅行の動向についてご説明申し上げます。

日本人出国者数につきましては、1996年は1,669万人(資料1,2参照)、1997年は1,680万人(推定)となっていますが、旅行者の動向については財団法人日本交通公社の調査がその参考となると思われます。(資料3,4,5参照)そのなかで、海外旅行の阻害要因として「食べ物」が最も高く、次に「言葉」「治安」があげられています。これら三項目への不安を払拭することが海外旅行者にとって重要であるといえます。一方、旅行目的としては、「自然や風景」「史跡」などの観光志向が依然強いことがあきらかになっています。また、海外旅行の牽引役ともいえる未婚女性においては「異文化体験」志向が強いことは特筆すべき点です。

また、海外旅行者のもう一つの傾向としては、リピーター比率の増加があげられます。同財団が1996年に海外旅行経験者4,923人を対象に調査した「海外旅行実態調査」(資料6参照)によると、海外旅行経験が2回以上のリピーターは90%を超え、10回以上の人も40.6%にも達しています。もはや海外旅行の需要の中心はリピーターであるといえます。関西の場合、関西国際空港の開港によるビギナー需要の掘り起こしという現象が生じ、リピーター比率はこれらの数値よりも若干低いと考えられますが、やはりリピーターが主体であることは想像に難しくありません。今後ビギナーがリピーターへと成長していくにしたがって、日本人海外旅行者のリピーター比率がさらに上昇していくのは確実です。リピーターの拡大に伴って、先に述べた志向の変化もすすむことが想定されます。「快適性」「便利性」「買い物」などから「歴史・文化などへの知的欲求を満たす旅」への旅行目的の変化がますますすすむことでしょう。その点、歴史的な観光資源を有するシルクロード地域各国は、こうした日本人海外旅行者にとって今後有望な方面といえます。

そのためにも、本日申し上げる観光促進の条件を早急に整備されることを強く希望する次第です。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION