日本財団 図書館


ペリ、クズルガハは、まだ完全に開放しておりません。クチャには、もう一つ非常に著名な遺跡、スバシ故城があります。これから保存施設を整えて、完全解放に向け徐々に皆様に開放する予定です。

カシュガル地区、ここも多くの文化遺産遺跡が残されている地方だと思います。カシュガル地区には、イスラム風の建築様式を表現するエィテーガールモスク、アバホージャー族の廟以外にも、仏教の遺跡も残されています。例えば、三仙洞、モール仏塔、これもすべて仏教遺跡です。

続きまして、ホータン地区の遺跡ですけれども、今、開放されているヨトカン(約特干)遺跡、マリクワト(瑪利克瓦特)遺跡、これらはすべて開放されましたが、まだ新しいもう一つの重要な遺跡であるガハ遺跡がまだ開放されていません。

ウルムチからキタイ(奇台)までのコースです。昔の北庭(ホクテイ)の都にある北庭故城があります。条件が整い既に解放されています。

ウルムチからイーニンにいく途中には、たくさんの遺跡があります。やがて開放できるかと思います。古い遊牧民族のエンザ、イワノテ遺跡もあります。イリ(伊犁)地区にあるイリ将軍府、それも非常に良い遺跡だと思います。ただし今、開放の条件がまだ整っていません。でもイリ地区のコルガス(霍城)県にある仏教の7つのお寺が現在、開放出来ます。

これまで文物の状況を、皆様にご紹介を申しあげました。今度、また時間がありご一緒出来れば、どこかで文物のお話をゆっくりいたしましよう。

新疆文物資源が新彊の旅行・観光資源の中で、極めて重要な位置を占めていると思います。ニヤ遺跡を例に取りますと、ニヤ遺跡は歴史上の西域36ヵ国の中の精絶国があったところです。ニヤ遺跡は、遺跡の場所が今は砂漠の中にあることを良くご存知かと思います。今、調査されたものが合わせて800ヵ所もあります。遺跡で発見されたもの、あるいは見られる遺跡がローランよりも多い。まず、仏塔が見られます。また住居の遺跡も見られるます。お墓の遺跡も見れます。古代の住民達が水を引いてきた水道の遺跡も残されています。ロウソクを造った炉も残されています。葡萄畑あるいは桑の木を栽培した畑も各地に残されております。ニヤ遺跡全体と周辺の環境は完全に残されています。そのままの現物状態で残されております。

ニヤ遺跡のような完全に残されている遺跡はまだ新疆にはきっとたくさんあるかと思います。また、この遺跡を見学する場合は、砂漠の風砂による浸食の様子、あるいは砂漠が広がりものを埋没した様子を観察して下さい。砂漠の自然の景色も観察して下さい。以上、皆様に、ニヤ遺跡のことをご紹介しました。この新疆ウイグル自治区には、これからも遺跡がまだ発見出来る可能性があります。

ここで私は一つのお願いがあります。これから中国国内からでも、国外からでも文物旅行を開発するときには、私ども文物管理部門へ緊密にご連絡をして下さい。新疆の文化遺産の歴史はたいへん長いのです。また、文化の内容が豊富です。今、旅行者がこれらの遺跡を、10分間あるいは30分間訪れて、これらを十分に理解出来るのか私は、疑問を持っています。そして本当に、この文化財の真の意義を良く理解出来るかどうか、これは重要な課題だと思います。例えば、キジル千仏洞の中の一番古い洞窟はたぶん敦煌の洞窟より古いと思います。これに比べると敦煌の壁画は、まだ遅い時代のものと思います。30分間の間にはどれくらいキジル千仏洞をみれるか。また、キジル千仏洞は、特別な環境の中にあります。もしキジルで一晩お泊りいただけたらもっと理解出来るのではないでしょうか。でも一つの問題点は、新疆にたくさん残る遺跡・文物類がほとんど環境の厳しい所に位置していることです。特に旅行観光施設は、そ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION