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● 岳峰中国新疆文物事業管理局長の講演

「新疆ウイグル自治区の文物状況について」

 

新疆の文物とその関連の発展状況について皆様にご報告させて頂きます。皆様ご存知の様に、新疆は文物と観光と文化交流の中心地であります。それに新疆は古いシルクロードの重要な場所と言えます。そして世界の四大宗教の集中地でもございます。仏教、イスラム教、マニ教あるいはよその宗教もたくさんここに集中してありますし、また、景教もあります。

また、中国の四大文明の集中しているところとも言われております。中華文化、ペルシャ文化、イスラム文化、ローマ文化あるいはインド文化、これらが新疆ウイグル自治区で認められます。これらの文化が新疆ウイグル自治区に集中されている為に、非常に独特な地方文化が形成されています。

新疆の特別な地質条件、気象条件のお陰で、貴重な文化遺産が大量に保存されてきました。特に、新疆にとっても非常に有名な、高昌故城、交河故城、ニヤ遺跡、ローラン遺跡と最近発見されたアンニ遺跡では、中原地区、あるいは他の地区では想像出来ないほど良く保存されています。先ほど話しましたとおり、文化遺産である遺跡、古墳がたいへん良い状態で残されていますし、非常に重要な文物旅行資源として保存されています。

いままでの調査の結果、人間の足でしか行けないところの文化財を含めて、遺跡、古墳があわせて2,000ヵ所もあります。東疆と西疆の文化保護管理所があわせて16ヵ所もあります。たくさんの文化遺産がまだ天山の深いところ、あるいは、タクラマカン砂漠の中にあると思えます。その位置環境の為に、我々の力でまだ発見出来ないところもたくさん残っています。複雑環境条件の為に、非常に恵まれた状態で残された多くの文化財があります。そしてたいへん深い文化的な内容を伝えてくれます。新疆は、たくさんの古い文物とその文化価値に恵まれ、非常に重要な位置を占めています。

例えばチェルチェン(且末)地区の遺跡は、他のどこでにもない独特なものだと思います。これらの古い文物遺跡は、皆様がお連れしたお客様に充分に楽しんでいただけると思います。他のところには全く無いものだと思います。独特なものだと思います。新疆のこの古い遺跡の分布を見ますと、私どもの管轄下、あわせて約10のくらいの文物遺跡見学コースを組むことが出来ます。

簡単に皆さんにご紹介したいと思います。まず最初に、ウルムチよりトルファンヘ行くコースがあるます。トルファン地区では、高昌故城、交河故城、アスターナ古墳、ベゼクリク千仏洞以外のいくつかある遺跡は、まだ開放されておりません。ショウキンコウ仏寺遺跡、交河故城北側に位置している墓地などいくつかの箇所が、完全に整備されていない為に、未解放です。もし将来条件が許されれば全部開放する予定でございます。

次にウルムチからコルラまでのコース。このコースの中にはまだ二つ、新しく内容を追加する事も出来ます。例えば、和静県に位置しているオオコウク、チクシ遺跡も優先的に開放する予定です。コルラ文物管理地区内には、皆さんがご存知のローラン遺跡、ニヤ遺跡がありますが、それら以外に、皆さんに申し上げたいのが、ダンネループ遺跡も最近見つけられました。この遺跡は最近、発見されましたのでまだ研究調査中です。まだ解放出来ません。日中合同調査団に特別解放することが考えられます。

クチャ地区も有名な観光場所だと思います。ギジル千仏洞を中心として、周辺にいくつかの大きな千仏洞があります。そのいくつかはすでに完全に開放されております。クムトラ、イム

 

 

 

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