日本財団 図書館


敦煌博物館は、館長の説明を聞くと殆ど国宝級の収納品が展示されていることがわかりましたが、展示、案内等雑然としていて倉庫にすぎないような施設なのは残念でした。現状ではブローシャー、絵葉書、スライドなど全くなく、どこにでもある土産物を売っていただけでした。

莫高窟は、スケールも大きく、ここまで見に来るだけの価値のある素晴らしい物があります。

しかし、入場料を取った上、特にお金を払えば未公開の物を見せるというシステムは釈然としません。今後、来訪者が増えれば現在の見学の仕組みでは、システム化しなければ、混雑と混乱を招くおそれがあり、見学コースの多様化と料金の適正化を図らなければならないと思います。

楡林窟は将来公開されれば、莫高窟に匹敵する観光資源になることは間違いないと思われます。

最後に途中で気のついた砂漠の草花を紹介します。種類も少なくひっそりと生えているので気がつきませんが、よく見ると健気に生きています。

タマリスク(スライド−8)、らくだ草、(スライド−9)、野甘草(スライド−10)、狼蔓草(スライド−11)等ですが、エコツーリズムはこのような路傍に生えている草花に対しても観光客の関心を呼び起こすところから始まるものです。

 

(4) 嘉峪関

嘉峪関では、嘉峪関関城、懸崖長城、長城博物館、魏晋墓等を見学しました。

魏晋墓は、6号墓には入ることが出来るようになっていますが、10人も入れば一杯になってしまいます。壁画には当時の生活ぶりが詳細に描かれていて興味が尽きません(スライド−12,13,14,15)。

夜光杯や絨毯を制作、販売をしている工芸センターにいきましたが、デザインが今ひとつで買いたいという気になりませんでした。

 

(5) 食べ物

よくシルクロードらしい特色のある食べ物として、ハミ瓜、西瓜、葡萄等があげられますが、残念ながら時期が外れていたせいもあって、本当においしい物にはこれまでであっていません。

駱駝の掌の料理は臭みもなく見た目の美しいものとしてあげられます(スライド−16)。

駱駝をかたどった前菜(スライド−17)や猿をデザインしたデザート(スライド−18)は見た目は面白いものでした。

参考までに、重慶で食べた四川鍋をお目にかけます(スライド−19)。真ん中に仕切があり、鍋の中の真っ赤な方が激しく辛い味付けとなっています。今までシルクロードではこれだけ視覚的にもインパクトのあるものにはお目にかかっていません。

これぞシルクロードという食べ物に出会うのは今後の課題と考えています。

 

4. 現地旅行事情

 

(1) 10数年前のシルクロード事情

今から10数年前にシルクロードに日本の修学旅行を持っていくことの可否を検討したことがあります。

わかったことは、

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION