いることなどが、観光貿易の拡大に寄与している要因であると述べています。
フィリピンの観光事業が拡大しているその他の要因としては、アジア太平洋地域の要衝にあること、20ヶ年観光マスタープランにより大がかりな観光インフラ開発が進められていること、主要な観光地として、また会議やエキシビション、特別なイベントのための第一級の会場として、また魅力ある確実な投資の地として、海外にフィリピンを売り込むマーケティングキャンペーンを積極果敢に展開していることなどが挙げられます。
フィリピンの観光事業の見通しは非常に明るいと見ています。1992年から1996年にかけて、観光客の数は平均16%伸びてきました。1996年には、我が国への観光客の数は200万人を超え、観光客による収入は26億ドル(USドル)もありました。この5年間で収入は、平均して12%伸びています。今年までに、海外からの観光客の数は16%増えて232万人に達し、2000年までにはさらに増えて、約400万人の観光客を受け入れることになるであろうと予想しています。1995年のGDPに観光事業が占める割合は5.23%であり、この数字は着実に伸びて、来年までには約7%になると予想されています。
この5年間のフィリピンの観光事業のめざましい業績については、ファーイースタンエコノミックレビューやWT0が適切に引用してくれています。観光事業におけるこうした躍進は、フィリピンの経済成長を推進し、1996年には経済は空前の成長を遂げ、ニューズウィーク誌が「アジアに新たなトラが出現」と表現したほどでありました。
我が国の指導者は、観光事業の開発だけでなく、観光事業に影響を与えるその他の部門の開発を促進するためのイニシアチブを取ってきました。
最近、より優れたビジネス環境を創り出すための政策や法律が施行されました。フィデル・V・ラモス大統領は、政府のあらゆる部門が「21世紀に向けての改革と開発計画のぺースを加速する」ことを説いています。観光事業では、あらゆる観光事業活動を自由化し、外国資本が参加できるようにしました。さらにBOT(民間企業が、資金調達、建設、運営を行い、一定期間後に施設を公共に売り渡す方式)計画や、合弁事業を通して、数々のプロジェクトを奨励してきました。
フィリピンは、いくつかの精力的なマーケティング・プロモーション計画を実行しています。1986年のクーデターによって世界に焼き付けられたフィリピンのマイナスイメージを払拭するために、フィエスタ(お祭り)諸島キャンペーンが開始されました。このキャンペーンは、祝祭や祭典を通して生活を賛美することにより、フィリピン人の回復力に富む性質をアピールしたものでありました。
折り悪く、ピナツボ火山の噴火により起きた惨事が災いして、プロモーション効果はさらに後退するに至り、対処するために、ルソン島のフィリピンキャンペーンが開始されました。これは、1年中健康的な休暇が楽しめる地としてのフィリピンのイメージを世界的に回復するためのキャンペーンです。また、20ヶ年観光マスタープランを、展開するための一連の地域が決められました。
近年、フィリピン群島は、島々がもつ独自の魅力をさらに強化する、「最良の島訪問」キャンペーンを開始しました。市場を特定して重点的に売り込み、来訪する観光客の数を増やすために、観光省は、「友達を連れてこよう」と銘打った革新的な計画をスタートさせました。これは、フィリピン国民が海外の友人や親戚、ビジネス仲間にフィリピンを訪れるように誘うことを奨励するものです。一方、コンベンションシティであるマニラは、アジアの会議の中心地としてのフィリピンを再びアピールし始めました。
世界的なマーケティングのための国内観光
観光省の世界的マーケティング目標、特に「高所得者層やSIT(特殊ツアー)顧客層に焦点を当てて、様々な一連の観光事業の既存観光客用施設の利用を推進する」という目標に沿って、フィリピンの芸術、歴史、文化を中心とした国内観光事業活動を展開し、世界的なプロモーションやマーケティングを行ってきました。
その一部を以下に紹介します。
ユース2000観光研修評価計画は、若者や機会に恵まれない人が旅行し、原始林や植物が生い茂る地、山、海、河川、異なる民族に触れることにより、学習をしてくることを奨励するものです。若者が障害者と一緒に参加する観光サマーキャンプや、ルーツを探っているフィリピン系アメリカ入をターゲットにして開発され北米人を対象にした「若者のためのヒーローツアー」、フィリピンに留学してきている学生を対象として販売するEDUCARE(エデュケア)などがあります。
フィリピンの各州が観光や貿易の可能性を積極的にプロモートし販売するための場を提供するのがフィリピントラベルマートです。フィリピントラベルマートは現在8年目を迎えており、海外のバイヤーや一般市民にも開放されています。パンパンガ州の州都であるサン・フェルナンドにあるフィリピン・クリスマス村では、フィリピン式に世界で最も長いクリスマスを祝います。この村には、カラフルでユニークで巨大なちょうちんがあります。1998年には、海外からの参加者と一緒にマニラにて、第2回国際ランタン(ちょうちん)パレードを開催します。
汎フィリピン八イウェイを目玉とするフィリピン観光ハイウェイ計画は、国内の観光プロモーションや地方および地方のハイウェイの開発と結びついており、世界に向けての一連のアピール材料の1つであります。フィリピン観光ハイウェイの呼び物は、サマーキャラバンであり、これは海外からの観光客に参加してもらうために考案され、マーケティングされています。サマーキャラバンは、