旅行者が都市から車でアクセスできる地方の観光地を訪ずれることを促進するツアーです。
このプログラムのもう1つの特徴は、キャラバン式の巡礼の旅です。これは、フィリピン国内の歴史と文化のある巡礼地をイスラム教徒や国内ならびに海外の敬虔な聖母マリア信仰者が訪れるようにするために考案されました。ロレンツォ・ルイースと彼の日本人の同信仰の仲間が日本で殉教したといえば、皆さんも興味をかき立てられるでしょう。ルイーズは、フィリピン初の聖者であり、フィリピン人にも日本人にも崇拝されています。
「夢のバケーションキャンペーン」は、旅行販売プロモーション計画であり、旅行会社が、魅力的な価格で国内の上位25の観光地のパック旅行を提供するのが特徴です。世界市場に向けてプロモートするために、上位25の観光地は、フィリピン国外にまで視野を広げて選んでいます。
文化遺産のプロモーション
フィリピンの豊かな文化遺産を保存し維持し復元する必要性を認識した観光省は、遺産の保存と修復、それに国民の文化に対する意識を高めるための計画をスタートさせました。自然遺産サイトも文化遺産サイトも常に、観光客を引きつけてきました。観光と遺産は、互いを補い合い、お互いの価値を高め合います。フィリピンは、現在、世界的な傾向となっている文化ツーリズムの需要に応えています。
文化遺産村
ルソン島北部の西海岸に位置するビガンは、フィリピン国内で唯一植民地の名残りを強く留めている都市です。そのユニークな建築様式は紛れもなくフィリピンのものでありますが、欧州やラテンアメリカ、アジアの影響が融け合っています。現在残っている190を超える、かけがえのない先祖伝来の家や宗教的構造物、歴史的なランドマークは18世紀や19世紀の職人の芸術的偉業や技術的偉業を示すものです。これらの職人は、地震の多い熱帯地方に適応した地域特有の建築様式を考案し、彼ら固有の芸術をその建築に反映したのです。
ビガン遺産村と観光複合センターを修復し維持し保護するために大統領直轄委員会を創設するという大統領命令No.358が出されました。
この委員会は、各種政府機関、市や州の自治体、それに民間部門からの代表者で構成されます。委員長は、観光省長官が務め、イロコス・スル州の知事が副委員長を務めています。ビガンの詳細なマスタープランを策定し、計画やプロジェクトのあらゆる要素や開発活動の計画や監視について全体的な指示を与え、調整していくことが、この委員会に課せられた課題です。
バタンガス州のタール遺産村や、ボホル州のバクレイオン教会(セブ市から高速フェリーで1時間)の修復も、文化に重点を置いたプロジェクトです。
イフガオの棚田
イフガオ族は「世界で8番目に不思議なもの」と言われる棚田を造った人達として名を馳せています。棚田はまた、「アジアの最大の文明所産」としても知られています。棚田は、2,000年以上も前に造られたと推定されており、畑を次々に並べていくと、地球を半周するであろうと言われています。このイフガオの棚田の実に驚くべきことは、こうした偉大な農業工学的構造物が、中央の権威を借りたり多くの人を酷使することなく造られたことであります。
イフガオの棚田は、現存する文化的風景として、また世界で唯一、4種類の棚田が見られるものとして、ユネスコ世界遺産リストに登録されました。
この遺産を未来世代のために保存する目的で、イフガオ棚田委員会が創設されました。この委員会の仕事は、棚田の修復と保存であります。
最近の数字を見ると、この地域への海外観光客の数が29.86%伸びていますが、これは主にイフガオ棚田やコルディエラ自治地区のバギオ市によるものであります。
世界的なプロモーションとマーケティングのために国内の観光地を開発
現在までに、世界的なマーケティング努力を続けるために、ますます多くの観光地か開発されています。ごく最近の例は、BIMP-EAGA(ブルネイ―インドネシア―マレーシア―フィリピンから成る東アセアン成長地域)です。
ミンダナオ島は、フィリピンで2番目に大きな島であり、面積は102,043平方キロメートルあり、国土総面積の34%を占めます。この島は、これまでの眠っていたかのような状態から目覚め、現在では刺激的な島へと変わりました。
ミンダナオ島は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の成長の潜在力を利用し開発しようとする、これまでに例をみない世界的努力の一環となりました。その目的は、ブルネイ、インドネシアの北スラウェシ州、東カリマンタンと西カリマンタン、マレーシアのサバ、サラワクとラブーアン、フィリピンのミンダナオとパラワンを結ぶ多角形の範囲内での貿易、投資、観光を拡大することです。
21世紀のアジアのリゾート地として名を馳せる準備をしているBIMP-EAGAは、エコツーリズム、ダイビング、歴史と文化、トレッキングとアドベンチャー、世界的なリゾート地といった部門で途方もない可能性を持っています。
観光マスタープランにより、ミンダナオ島は、観光客の数が1989年の4%の伸びから、2010年までには19%へと大きく飛躍し、そのうち海外からの観光客の数は100万人となるであろうと期待されています。この調査ではまた、2010年までにはフィリピンを訪れる海外からの観光客のうち19%がミンダナオ島を訪れると予想しています。
ミンダナオ島のなかでも、海外や国内からの観光客が最も多いのがダバオ市です。ダバオ市は、ミンダナオ島の貿易と商業の中心地です。