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◇伊良部町消防本部◇(沖縄)

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伊良部町は、北緯24度44分、東経125度08分にあり、沖縄本島那覇港より南におよそ330km離れた宮古郡島の中にあり、更に宮古本島から北西へ約4km離れた伊良部島と下地島からなる2島1町の外洋性の離島である。面積は、39.2k?uで両島とも楕円形状となっており、平坦面の多い地形を成している。気候は、亜熱帯気候に属し、年平均気温は23℃、四季を通して比較的凌ぎやすい気象状況ではあるが、夏場に襲来する台風の影響を受けやすい。

現在の消防本部庁舎は、平成7年3月に竣工し、伊良部島のほぼ中央に位置している。 1本部・1署・21人で伊良部町の守りにあたっている。

★ 夢の大橋「伊良部架橋」

21世紀へ向け伊良部島と宮古本島を結ぶ「伊良部架橋との機運が宮古全郡的な要望として最も盛り上がりを見せている。夢の大橋が現実のものとして一歩一歩近づいている。

★「平成10年消防出初め式」

本年1月7日消防本部構内において、全職員の他、来賓及び関係者(消防団員20人、婦人防火クラブ50人)多数が出席する中、礼式訓練、本部長による特別点検が行われた後、式典が盛大に執り行われ、今年1年の無災害を祈念した。

★ 防災訓練への参加

災害時に迅速かつ的確な対応を図るため、防災とボランティアの日に行われた宮古地区総合防災訓練に消防職員及び消防団員並びに婦人防火クラブが参加し、また、防災の日に実施された先島地区総合防災訓練にも参加している。

★ 防火パレードによる広報活動

毎年、春秋の全国火災予防運動などのあらゆる機会をとらえ、島内一円に防火広報パレードを実施し、町民の防火・防災意識の高揚を図っている。

★ 高齢者対策の推進

伊良部町の人口7,545人の内65歳以上の高齢者の占める割合は、約22%となり、年々増加する高齢化は深刻な問題となっている。(平成8年12月末現在)

そこで、町役場の老人福祉係と連携し、防火点検指導や住宅防火診断の実施を機会あるたびに積極的に展開し、高齢者の防火安全対策に力を入れている。

★ 台風警備

過去の台風で最も最大瞬間風速が大きいものは、昭和41年9月の台風18号(第2宮古島台風)であり、最大瞬間風速85.3m/s、最大風速60.8m/sという記録がある。昨年も、台風13号で最大瞬間風速33m/sを記録し、台風警備が占める割合は多い。

★ 救急搬送にヘリコプター活用

島内には、診療所のみであり、昨年中の救急搬送172件のうち105件は宮古島(平良)へ搬送している。台風襲来時には、宮古島とを結ぶ定期航路は欠航となり、急患発生時の対応は、切実な問題となる。昨年も台風時に急患が発生し、航路が絶たれた中、早期に自衛隊及び海上保安庁のヘリコプターを要請し救急搬送を行った。

★ 消防団の充実

宮古地区で開催される消防団ポンプ操法に出場するため、団員が一丸となり、仕事を終えた後訓練に精を出し、成果をあげている。

★ 人材育成

機会あるごとに、研修に積極的に参加し、消防職員・消防団員一丸となって、知識・技術の向上に努めている。

★「信頼関係」

玉元正助消防長は、「消防の仕事は、住民の信頼関係の上に成り立つものである。常日頃から住民に信頼される職員となるよう努力を惜しまない事が必要不可欠」と力強く語られ、いかなる災害からも伊良部の安全を守る万全の体制に余念がないことを確信した。

(小澤 純)

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