日本財団 図書館


F3級の竜巻災害が発生した。

また、平成8年9月には、台風17号による大きな洪水災害にもみまわれ、一躍災害地域として汚名を背負うこととなった。

災害現場広報は一般広報と異なり、まさに突発的、かつ火急的事態の連続であり、地域住民からのニーズが最も強く、その広報効果が重要なものであることは、各事態で深く認識するところである。近年発生した洪水活動では再々度の広報や指示が十分に理解されず、避難の困難性を高めた地域がある一方、早めの広報に耳を傾け、積極的に行動が行われた住民からは安心の声が寄せられた。今後はより広報効果を高める為に広範囲な情報収集のもと、正確な説得力と効率のよい広報活動に努力していかなければならないと考える。

2 住宅防火

当消防本部での過去10年間の建物火災の発生率は約40%と高く、この為まずは一般住宅からの発生率の低減を目標に掲げている。

また、防火対象物についても同様に消防法第4条及び第16条の5を適用し、特に特定対象物の他、毒劇物事故の発生にかんがみ関係事業所等に査察専従員の立入検査を実施し、防火防災指導にあたっている。とりわけ一般住宅防火については、昭和42年以来30年余りにわたり、春と秋の全国火災予防運動の恒例行事として職員を総動員し、地元自治会関係者や消防団員の協力のもとに専門的見地から火気使用設備等の訪問防火診断(独自防火診断書使用)を行い、時には、地元関係者と防火座談会や防火ビデオ鑑賞会を催し、感謝されている。

高齢者の防火対策としては、毎年10月ごろの火災多発期に入る前に、独居老人宅を訪問し、健康状態の確認や火気管理の他、避難方法や通報要領等のコミュニケーションを図りながら、高齢者のニーズに配慮した防火安全指導を行っている。

また、緊急通報装置(システムペンダント)所持者は現在167人が登録され、消防本部通信指令室に於いて緊急時の対応を行っている。過去の事例では急病による救急要請があり、今後、更に災害弱者対策として防火機器の普及・推進を切に望むところである。

015-1.gif

3 県民の日、地域行事に参加

「ふる里まつり」ふれあい防火

この行事は、昭和58年に千葉県民が郷土の理解と関心を高め、ふる里を愛する心を育む日として制定され、毎年この啓発行事が行われる。消防もまさにこの精神に合致するものが多く、当消防本部としても参加協力している。メイン会場である支庁舎前広場では、関係団体と共に消防コーナーを開設した。

起震車の体験コーナーでは、震度に対する避難動作や消火処置の可否をテーマに試乗してもらい、改めて対応の難しさを体験された様子。ふれあい何でもコーナーでは、職員が育成したコスモスの苗木約5,000本もまたたくまに品切れとなり、消防スタンプ印のノートや、鉛筆の無料配付がリサイクル品であることに関心しきっていた。

子供コーナーでは、ミニハッピや防火服を着て親子仲良く記念撮影する光景が見られ、大変ほほえましく、一時の住民との身近な交流で防火意識の啓発が図られたものと思われる。

おわりに

予防・広報は、まさに住民の自主的協力を求められるものであり、その意志や意見を最大限に吸収するため、各種の機会をとらえ積極的参加の精神と、折りにふれ協力体制の地域に密着した「ふる里防災都市」を目指して努力して行きたい。 (斉藤 茂)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION