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◇久御山町消防本部◇(京都)

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久御山町は、昭和29年10月に、久世郡の御牧村と佐山村が合併して生まれた町であり、京都市の中心部から南へ約15km、山城盆地の南西部に位置している。

宇治川と木津川の清流が育んだ広大な田園風景が、農業を中心として発展してきた町であることを象徴しているが、国道1号(枚方バイパス)が開通して以来、大都市圏近郊という地理的優位性から、諸産業の進出が目覚ましく、その後の京滋バイパスの開通や第2京阪道路、京都第2外環状道路等の大型幹線道路計画の進展とともに、京阪神都市圏の交通・産業の要所へと、急速に町の様相が変貌を遂げている。

行政は、そうした都市化の波と古くからの自然が調和した町、そして何よりも、そこに暮らす人々が生き生きと住める町づくりを進めており、町全体に活力があり、心が豊かになる町であることが感じとれた。

そんな素晴らしい町、久御山町の防災を担当する久御山町消防本部は、昭和47年4月に発足し、現在、1消防署の職員37人と消防団2分団185人により、管内13.86k?u、人口約18,000人の防災の任に当たっている。

★ 水との闘い!

その音、久御山町は、遠く琵琶湖の水を運ぶ宇治川、古代より人々に水の交通をもたらした木津川、そして桂川が流れ込み、万葉の古歌にも詠まれた巨椋池に代表される幾つもの遊水池が形成された低湿地であった。

宿命の如く、大雨のたびに洪水が発生し、概ね3年に1度、米の収穫があればよいといわれるほどに水害に見舞われ、幾多の苦難と試練を繰り返していたのである。

その後、昭和16年に8年の歳月をかけた干拓事業が完成したが、現在の久御山町の躍進は、先人の干拓に賭けた不屈の精神力と努力に他ならないのである。

★ 久御山町の防災は安泰!

特殊、専門という言葉は、何かに長けた、秀でた能力を表現するのに用いられることがあり、社会的には、そうした人材の部署が増えつつあるが、久御山町消防本部の署員は、全ての消防業務において、精通することを目指しているプロ集団である。

南消防長も、「決して妥協は許さず、厳しく接する。」と断言するほど署員の教育には熱心であるが、心配御無用。署員は、地域住民の防災に対する負託に応えるべく、率先して自己啓発に努めており、少数精鋭の消防部隊で、久御山町の防災は安泰である。

★ 自分達で力を合わせて!

道路交通網の進展に伴い、工業の進出が著しく、地域によっては、防火対象物の中で工場や倉庫が占める割合が、非常に高い箇所もある。

過去に久御山町に発生した幾度かの大火の経験を活かし、自衛消防隊員は、「火災時には、自分達の力で事業所を守ろう。」と、日頃より訓練等に取り組んでおり、加えて、管内の危険物安全協会と防火管理連絡協議会が消防本部と一体となり、防火対策を推進している。(写真)

★「和」を大切に!

「和」=南消防長のモットーである。消防職員は団体生活、部隊活動である。そこに「和」が存在しなければ、当然、秩序が保たれず、統率が乱れる。

そして、署員に伝えたい消防長の真意とする「和」の大切とは、「和」の下、力を合わせれば、何事にも立ち向かうことができる大きな力が生まれるということである。

「必ずしも人員的に恵まれているとは言えないが、だからこそ、この素晴らしい久御山町を、署員の「和」をもって守って行かなければならない。それが我々に与えられた使命ですから」と力強く語っていた。 (椎谷 敦)

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