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◇岩倉市消防本部◇(愛知)

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岩倉市は、愛知県の北西部、濃尾平野のほぼ中央に位置する、面積10.49k?u、人口約4万7千人、愛知県で一番人口密度が高い市であり、名古屋市の中心部から電車で15分の距離にあることから、名古屋市のベッドタウンとしての性格を有している。

市の中心を流れる「五条川」の両岸には、 1,600本もの桜の木があり、「日本の桜・さくら名所100選」にも選ばれ、桜の咲く時季は、市内外から大勢の人が訪れる。この五条川で、大寒のころから、冷たい水の中で行われるこいのぼりののり落とし「のんぼり洗い」は、春の訪れをつげる風物詩となっている。

消防本部は、昭和46年に設置され、1本部、1署、45人の職員で市民の安全を見守っている。

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★消防防災拠点完成!

平成9年4月、新消防庁舎が完成し、業務を開始した。この施設は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、飲料水兼用耐震性貯水槽(100m3)の設置、災害避難場所として防災公園・食料等の備蓄倉庫を併設するなど、市の消防防災拠点としての機能を備えている。

庁舎においては、職員による「庁舎建設検討委員会」での意見。希望が最大限に取り入れられており、使い勝手の良さが職員にも好評である。

★全市一丸となって!

「安全・安心で住みよい災害に強いまちづくりを基本とし、全職員には、健康で研鑽を積み、常に市民の立場に立ったものの考えで、21世紀を見定めた『予防消防』でありたいと願っている。」と丹羽消防長、願いの実現に向かって様々な活動が展開されている。

*毎月9の日は、普通救命議習

応急救護の普及・啓発を積極的に行っている。特に、災害が起こった場合は、市職員が率先して対応しなければならないと、全職員を対象に普通救命講習が実施されている。

市内の学校・事業所等にも応急救護の必要性を訴え、講習を実施している。

*市民ふれあい祭り

毎年11月上旬に開催される市民ふれあい祭りに消防署コーナーを設け、はしご車の乗車体験・救助工作車の展示・地震体験・煙体験等火災の恐ろしさと人命の尊さを市民に知っていただくとともに、安全で住みよいまちづくりに努力していることをPRしている。

*1人暮らしのお年寄りも安心

65歳以上の1人暮らしのお年寄りの居宅の対象に緊急通報装置が設置されている。この通報装置は、ペンダントの押しボタンだけではなく、火災・ガス漏れ感知器の発報も受信するものとなっている。年1回、職員が各居宅を訪問し、機器の機能確認と電気・ガス等の安全確認を行っている。

*100%の組織率

昭和56年から町内会単位での防災体制の整備充実を図るため、自主防災会づくりが進められ、現在43組織。100%の組織率となっている。各防災会には、軽可搬消防ポンプが配置されており、初期消火がスムーズに行われるよう職員が積極的に指導を行っている。

また、2つの婦人防火クラブは、9の日及び火災予防運動期間中に拍子木を叩いて町内を巡回、火の用心を各家庭に呼びかけている。

この他にも全世帯に非常持出袋・防災マップを配付するなど、岩倉市の「安全・安心で住みよい災害に強いまちづくり」は、着実に歩みを進めている。

(佐藤 俊夫)

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