「年頭の辞」
財団法人 全国消防協会
会長 大井久幸
平成10年の輝かしい新春を迎え、全国の会員の皆様に謹んで新年のお慶びを申し上げます。
皆様には、平素から本協会の事業運営につきまして格別のご支援、ご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。
我が国の消防は、昭和23年に自治体消防として発足し、本年2月7日に50周年の佳節を迎えることとなりました。
また、本協会の設立をはじめ、事業運営に密接に関わっている全国消防長会も、50年の歴史を刻するにいたりました。
この間、幾多の先人と会員の皆様方をはじめ関係各位のたゆまぬご努力により、消防・防災体制は着実に発展充実し、地域社会の安全確保に寄与してまいりました。
しかしながら環境の変化は、自然災害の増加をもたらすとともに、近年の急速な都市化の進展は、災害や事故の潜在的危険性を一層増大させるなど、災害の態様はますます複雑多様化・大規模化の傾向を強めております。
また、人口の高齢化、疾病構造の変化と併せ、高度医療を求める要請の高まりは、救急需要の増加をもたらすとともに、自主防災組織や災害ボランティアの育成など多様化する防災環境下において、より質の高い行政対応が求められております。
このような状況の下、地域社会における消防の役割と直接消防行政に携わる会員の皆様には、大きな責任と期待が寄せられているところであります。
全国消防協会といたしましては、これらの諸情勢を踏まえ、災害現場に挺身する全国15万消防職員のため、消防機器の改良・開発、消防救助技術の向上、福利厚生の充実など各種事業を積極的に推進していく所存であります。
また、自治体消防並びに全国消防長会の50年を記念して実施される事業等に対しましても、皆様方のご協力を得て支援していきたいと考えております。
会員の皆様におかれましては、本協会の発展と地域住民の安全確保のため、本年も一層ご支援、ご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
結びに、ご家族共々皆様のご多幸とご健勝を祈念申し上げまして、新年のごあいさつといたします。