諏訪市は長野県のほぼ中央に位置し、諏訪湖の東南に接した面積約110k?u、人口52,000人余の内陸都市である。
ゆるやかな丘陵の霧ケ峰高原、諏訪湖、間欠泉に代表される温泉郷と、自然に恵まれた観光、精密工業からハイテク産業都市へと移行し、発展を続けている諏訪市は、「東洋のスイスととも呼ばれている。霧ケ峰一帯は、2万年以上も前からの遺跡が残されており、その営みは石器・縄文・諏訪人にと受け継がれてきた。そんな人達の心のより所は、諏訪大社を抜きには語れないだろう。分社、末社を合わせると全国1万社以上にもなるといわれている。「御柱祭」は1,200年ほど前から7年毎に行われてきた大社の伝統的な大祭。来年4月から5月にかけて、諏訪地方20万人によって行われる。その規模の雄大さ、行事の豪壮さをもって、天下の大祭の1つに挙げられ、当地ではすでに祭にむけ心は燃え始めている。
一方、文化人や知名人も多く、博物館・美術館・記念館の類も数多く見られる。中には、世界の一級品と言われているものもあり、国内よりむしろ海外から注目されているものもある。
諏訪消防の歴史は、昭和24年6月、消防団常備部の創設に始まり、翌年6月、職員17人により諏訪市消防本部が発足した。現在49人の職員と、団長以下953人の消防団員により安全で快適なまちづくりを支えている。
★救命率の向上を目指す
年間観光客が700万人を数える当市では、これらの救急事故も多い。最近の救急出動件数は、年間1,100件前後で推移している。本部では3人の救急救命士が乗務する高規格救急車等3台の救急車で対応しているが、更に3人の救命士の養成を進めている。
また、患者の搬送先として頼っている諏訪赤十字病院は、同市内に新築・移転が計画され、工事が進行している。平成11年の完成時には、高度医療の可能な中核病院となるはずで、救急サービスと合わせ、市民からの期待は大きい。
★「諏訪市消防団報」50号
諏訪市消防団(8分団)では、今年8月、16ページの「諏訪市消防団報」50号記念号を発刊した。この「団報」は、年4回発行してきたが、団員はもとより、家族・友人・知人の書いた記事が載せられ、内容もバラエティーに富んでいるため、広く一般市民にも親しまれている。
★消防用の設備・貴器材等への近代化に対応
小規模消防本部とはいえ、平成4年には、はしご車の導入をはじめ、消防緊急通信指令施設、高規格救急自動車等の配備を行うなど常に近代化に心掛けている。
また、昨年には、県下で初めていま評判のインパルス(高圧噴霧銃ニ写真)を導入した。車両火災、初期消火、水損防止にと用途の広いところが魅力的であり、今後の活用が期待されている。
長野オリンピックの警備・救急要員として職員1人を20日間派遣する。少ない職員からのやりくりは苦しいが、特殊な環境での経験に「得るところは多いはず」と進取の気概が感じられる。
★自分に厳しく
五味安徳消防長のモットーを伺ったところ「自身に厳しく」とした上で「明るい職場と強固なチームワーク」づくりを目摘しているという。そして「支えてくれる市民や家族への感謝」は絶対に忘れてはならないと付け加えた。この辺に消防長の人柄がうかがえる。「流水の清濁はその源にあり」を座右の銘としている。8時20分、全職員に朝の挨拶をして歩くのが五味流仕事はじめ。率先垂範、これに勝る説得力はない。
(海老原 光三)