には数箇月程度の時間がかかっていますが、活動開始後は息長く地道にボランティアを続けています。被災地の復興に向け、人々の生活の再建と地域の復興に必要なきめ細かな支援活動は、被災者ボランティアが中心となって担っている状況です。
第4のタイプ:業務型ボランティア
例えばYMCAやボーイスカウト等、日頃から様々なボランティア活動を行っている団体で、組織的に活動することに慣れている。ある意味でボランティアのプロ集団的な人たちです。第1〜第2のタイプが、ボランティアの素人が善意で集まり自然発生的に活動を始めたのとは対照的に、業務型ボランティアと捉えることができるかもしれません。
このタイプは、被災地での活動を開始するにあたり、ボランティアニーズを把握した上で行動計画を立てるなど、事前のリサーチをきちんと行っているのが特徴です。活動を始める時期、撤収する時期、ニーズの変化に合わせた支援方法の決定など、計画的にボランティア活動に取り組むことができる団体です。
以上、4つのタイプのボランテイアは、被災地における活動の時期・活動の期間・組織の体制など、各々の条件が異なっています。また、被災地に残した課題も様々でした。
2 被災地にとって本当に役立つボランティアとは?
阪神・淡路大震災で被災地に駆付けたボランティア志望の人たちの多くは、「本当の意味のボランティアではなかった」という声が被災地で聞かれます。「ボランティアの中には、単に自分のエゴを満足させるために、被災地と被災者を使ったに過ぎない人もいた」という厳しい批判もあります。
「可愛そうで困っている被災者のために、自分はわざわざ遠くからやってきたのだから、何かしなくては自分の気が済まない」と思うボランティアは、避難場所で、トイレ掃除から食事の配給、何から何まで全てをやってしまいました。その結果、そのような避難場所の中には、被災者自身の自立心がそがれてしまったケースも出てきたのです。
本当に被災者に必要なのは、 つらい現実と向き合い、そして生活を再建していくために立ち上がる力を取り戻すことだったはずです。ところがボランティアが面倒を見過ぎてしまったために、その力を取り戻すことが大幅に遅れてしまう結果になりました。
あの時のボランティア活動は、被災者と被災地の痛みを少しでも軽くするために行われるべきものだったはずです。避難場所に駆けつけて、十分人手が足りていることがわかったら、何もしないで黙って帰ってくることも「ボランティア活動の一つ」だったのではないでしょうか。
このあたりに、『自分のエゴを満足させることが目的だったボランティアが多かった』と言われる理由がありそうです
3 アメリカの防災ボランティア
アメリカでは日本に比べ、被災者への対応はずっと手薄であるような気がします。むしろ、被災者の早い立ち直りと自立を目指して、必要最小限のことにしか行政は関わらないという姿勢を感じました。
また、避難場所の設置・食事の提供・救援物資の配布・心身のケアなど、被災者への対応(mass careと呼ばれています)は、アメリカ赤十字社が担当しています。
日本で言うと国の防災基本計画に当たる連邦の災害対策の中で、それが明確に位置づけられているのです。
そして彼らが最も重要と考えているのは、「復旧・復興の中心となるのは被災者自身であり、赤十字はその支援をするだけに過ぎない」ということです。
たとえば、被災者にむやみに救援物資を渡したりはしません。そのかわり、自分達が必要とする物が買える金券を渡すのです。
今、自分に必要な物が何かを、自分自身で考え意思決定する行為を取り戻してほしいと考えているのです。それはすなわち、災害が起こる前の自分達の日常生活を取り戻す第一歩となるのです。
同時に、被災地の地元の商店も潤うことになります。
避難場所で人から何かを与えられるだけの生活、ただいくらでも物がもらえるような生活を長く続けていたのでは、復旧の原動力となる力を被災者が取り戻すことができないことを、彼らは知っているのです。
この思想が、すべての救援活動の根底に流れているような気がします。被災地でのボランティアもまたしかり。
実はアメリカでも、災害が起こる度に、多くのボランティアが被災地に駆付け、日本と