置いた生きかたも、より重要ではないであろうか。
そのためには、毎日の生活を健康に保つために生活習慣を守ってゆく。内容として多くは、皆さんが既に行っておられる事柄かと思うが、例をあげれば次のようなことである。「?@睡眠時間は十分にとる。?A食事の時間を守り、栄養のバランスを考えて、おいしく楽しく食べる。?B自分の体力にあった運動を、できるだけ毎日行う。?C酒・煙草は控えめに。?D間食はしない。?E体重の増減にきをつけ、適度の体重を保つようにする。?F心配事にくよくよしてストレスをためないように、心の平静を保つようにする。」などである。
常識的なことばかりだが、誰もが行えて、誰にでも効果がある健康法と言えるであろう。睡眠時間が不足がちであれば、1日のうちでどこかで補うように心掛ける。特に交代制勤務についている方は、例えば1週間ならば1週間の基本となる勤務単位のパターンに合わせて、生活のリズムを守るようにする事が大切である。
毎日の生活を規則的に行うことによって、心と体のリズムを健康に整えてゆくということになるであろうか。この健康習慣を守ることは、生活習慣病とよばれている癌や、心臓血管系の疾患、糖尿病など、いわゆる成人病の予防にも重要であるし、後で述べることになるストレス対策の基本にもなる大切な事柄である。
(3) 健康目標とイメージ
健康を達成するための目標をたてよう。これまでに行っていたことを、改めて目標として取り上げてみてもかまわない。例えば、「朝早く起きる。」でも、「体操を毎日行う。」、「ユックリ食べる。」、「日曜日は休酒日。」などであろか。そして、この標語を決めるときに、「なになにをしない。」と否定形の言葉を用いがちだが、これはキッパリと「なになにをする。」と肯定形を使って言い切る形がよろしい。このほうが言葉のもつ力による効果が期待できる。できたら紙に書いて毎日自分の目にふれるところに張り、声に出して自分に言い聞かせよう。
次に、目標がより楽に確実に達成できる方法として、イメージ・トレーニング法を使ってみよう。先ず、立てた健康目標を行っている自分、或いは目標を達成した自分の姿を、目の前にありありと思い浮かべられるように、標語を工夫してみてほしい。そして実際にイメージしてみる。前の例でいえば、「早起きして体操をするぞ。」ならば、すがすがしい朝の空気を胸いっぱいに吸って運動している自分をイメージして、実際に体の動きを感覚するようにする。
このイメージ化が十分にうまくできるということは、心のなかでは既に事実として存在したということであるから、目標の一半は達成できたとも言えるのではないであろうか。あとは自信をもって毎日行い、目標を実現してゆくことだ。
2 ライフステージと職業生活
(1) 人生の段階とライフプランニング
多くの人々は一日のうちでもそうだが、人生の中でも一番活動的な時間を職場生活として過ごしている。人生イコール職場生活のような感じもするが、やはり退職後のことも視野に入れながら、計画的に健康な生活を送りたいものである。
この長い人生を季節の移り替わりになぞらえていえば、さしづめ職場生活は夏から秋の季節にあたるだろうか。充実した活動的な時間であろう。しかし季節は確実に移り変わるように、人生の段階も替わってゆく。そして、それぞれの段階で達成すべき課題があり、解決すべき問題があると心理学では考えられている。
新規採用時は希望と夢を持って職場生活をスタートさせる。社会生活を習い、同僚と共同して職務を行い、配偶者を得るなどがこの時期の課題であろうか。やがて仕事にも慣れて生活も安定し、人生が見通せるようになると中年の段階に差しかかる。スイスの心理学者のユングは中年を人生の正午とよんだ。太陽がいちばん空高く昇る時刻である。中年の時期をどの様に過ごすかによって、その後の人生がより実り多いものになるかの重要な時