火 災
グループホーム(精神障害者収容施設)の火災
宇佐地域消防組合消防本部(大分)
宇佐地域消防組合は、大分県の北部にあって、北九州工業地帯と大分地区新産業都市のほぼ中間に位置し、管内面積439.02k?u、管内人口65,431人(平成9年3月末日現在)である。
広域交通網として、JR日豊本線は北側の海岸線沿いを、国道10号線は宇佐市の中央部を東西に走り、その南側を北九州市と大分市を結ぶ北大道路(別府宇佐道路)が開通している。
さらに、管内のほぼ中央部を南北に国道387号線が、熊本方面に延びていることから、交通網の整備された地域である。農業と観光、そして自動車関連企業の立地が進み、自然と調和した近代都市をめざして、街づくりが進められている。
消防体制は、1本部・1署・2出張所、消防職員91人、消防団員1,197人(平成8年4月1日現在)で地域住民の安全を守っている。
ここに紹介する火災事例は、病院に隣接した福祉施設火災である。
1 火災の概要
(1) 出火日時 平成8年12月26日
19時39分頃
(2) 発生場所 宇佐市大字中原340-1番地
精神障害者収容施設
(3) 覚知時間 19時49分
(4) 鎮火時間 20時56分
(5) 気 象 天候晴、気温 7.5℃、湿度 75%、風向 南、風速 2m/s
(6) 焼損状況等 全焼 1棟
焼損面積 338?u
り災世帯 7世帯8人
負傷者 1人(軽症)
損害額 2,344千円
出火原因 放火
(7) 出動車両等 消防車両 6台
消防職員 21人
消防団員 50人
2 付近の状況
火災の現場は、宇佐消防署の南東方向約1,800mの地点であり、国道387号線に面した、精神障害者収容施設である。この建物の北側に隣接して老人病院があり、国道を挟み商店等の建物が密集した地域である。
水利状況は、半径200m以内に消火栓、防火水槽各4基が整備されている。
3 活動状況
(1) 最先着隊が現場到着時、福祉施設2階部分の、開口部からは黒煙が噴出しており、収容者の安否が心配された。
(2) 消火作業中(五線放水)の消防隊に入った情報によると、収容者は、逃げ遅れているとのことであったが、人命救助の準備中に、5人の収容者は自力で避難していた。1人が屋根の上で、「俺が2階の部屋に放火した。今から死ぬ。」とわめいて暴れ、手に持ったカッターナイフをふりかざし手向い、救出にかなりの時間を要