日本財団 図書館


どが気になっても、東京ガスへ電話一本で状況を確認でき、必要ならばガスを″遠隔遮断″することができる。さらに、ガスメーターの検針を自動的に行う〃自動検針″も可能であり、当社では、このシステムの普及を進めているところである。

 

005-1.gif

人の集まるところは安全に(地下街・地下室の安全システム)

地下街・地下室などについては、消防法およびガス事業法の関係省庁によって、安全対策が強化されている。東京ガスでは、法の対象となっている建物はもちろん、地下室でガスを使う建物には総合ガス安全システムを勧めている。そのシステム内容は、

(1) ガス漏れを感知する都市ガス警報システムの設置。

(2) 感震自動警報を含む、緊急ガス遮断システムの設置。

(3) ガス漏れ防止のため、ガス器具とガス栓を金属フレキ管などの金属管、強化ガスホースなどで強固に接続。ゴム管使用の場合はヒューズコックを使用。

さらに警報システムや緊急遮断システムを防災センターと結び、ビルや地下街全体を監視できるようにしている。

 

安全確保のための24時間体制

ガス漏れ事故の防止にむけて、これまで述べてきたように諸々な対策を進めてきているが、万一の場合に迅速な保安体制をとるための出動体制として「ガスライト24」を設置している。首都圏一円に網の目のようにはりめぐらされた、ガス導管の本支管から供給管、さらに各家庭のガス器具まですべてのガス漏洩に対して、24時間、休日、夜間を問わず、緊急出動の体制をとっている。事故の規模や状況に応じて、緊急車輌がサイレンをならして出動する場合もある。こうした業務に従事する社員は800人を超えて、交代で勤務についている。出動する拠点は約50箇所あり、地域的な分担体制がとられているが広域的で大規模な事故が発生した場合は、当然特別体制がとられることとなっている。

 

2. 地震に強い都市ガスへの挑戦

都市化の進展によって、電気・ガス・水道・電話など、いわゆるライフラインは便利で快適な生活を支える欠かすことのできない存在となっている。そのため、災害によってこうした施設に機能支障が生ずれば、たちまち、市民生活は大混乱を招くことになる。一昨年1月に発生した阪神・淡路大震災では、高度に発展した都市圏を直撃し、あらゆるライフラインは分断され都市機能は完全にマヒし、その回復に多くの日数を要することとなった。都市ガス施設も、大阪ガス管内のガス需要家のおよそ90万世帯のガスの供給を停止する事態となり全国各地から3,000人を超える同業者の復旧応援活動にもかかわらず、完全復旧まで3箇月を要することとなった。ライフラインの中でも、都市ガスは、それ自体が可燃物であり、火災や爆発といった二次災害につながりかねないこと、復旧も安全を最優先で慎重にすすめる必要から期間が長引くことは否めない。そのため、都市ガス事業者は一層充実した地震対策が求められている。特に、首都圏を直撃する直下型地震の切迫性がとりざたされている中、首都圏のライフラインの一翼を担う東京ガスは、地震に強い都市ガス供給を目指して諸対策を進めている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION