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象・炎・怪獣の4体を作成した。

秋の火災予防運動に伴い、管内の保育所を巡回して劇を始めたが、初めは、炎や怪獣に園児達は恐がりはしないかと心配であった。

しかし、その心配を吹き飛ばすかの様に、劇が終わると一斉に縫いぐるみに駆け寄ってきて、抱きついたり、引っ張ったりと大変な人気で、最後に全員大きな声で「火遊びはしません。」と誓い合ってくれた。この経験を基に、もっと多くの園児、児童達に防火の輪を広げることができればと願っている。

 

4 自主防災組織の活動紹介

(1) 有漢婦人消防隊

昨年10月横浜市で行われた第12回全国婦人消防操法大会に上房郡有漢町の有漢婦人消防隊が県代表として出場。みごと銅メグル(優秀賞)に輝いた。同大会でのメダル獲得は県下で7年ぶり2回目。

出場選手は、一昨年7月に同町婦人消防隊員の中から7人の精鋭が選抜され、指導は本消防本部、同町消防団本部があたった。

まず初めの3箇月は、基本訓練である各個訓練を週3回行い、そして活動をアピールするため、10月開催の町民運動大会等各種イベントに参加して訓練を披露し、婦人消防隊の存在意識を高めた。そして、町民の理解と協力を得て町民と共に一丸となって訓練に励んだ。途中幾多の壁にもぶつかったが優勝を目標に皆で乗り越えることができた。大会を終えた隊員達は、「二度と味わうことのないすばらしい経験をした。全員が一つの目標に向かって努力し、やり遂げることができ、満足感と感動でいっぱいです。ご協力いただいた方々に感謝します。」と語ってくれた。また、この活動の様子を広報紙等に紹介することにより、婦人消防隊の意義と防災意識の高揚、自主防災組織の育成に大きく貢献した。今後の活躍に対し、住民からの期待も大きい。

(2) 塩坪少年消防クラブ

当市巨瀬町塩坪地区の少年消防クラブでは子供達が毎晩30分、拍子木を鳴らして歩き、火の用心を訴えている。小・中学生の子供達は7班に分かれ交代で活動している。活動のきっかけは昭和16年2月にこの地区で大火が発生したことから、二度と火事を起こさないために始まり、同年3月から今日まで56年間、一日も休む事なく続けられている。これは地域住民の火災予防に対する理解と、協力がなければとうてい続けることはできない。この子供達の活動のおかげでこの地区からその後大きな火災は、発生していない。

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5 乗ってさわって消防写生大会

消防というイメージの中で、特に印象の強い消防自動車、これに乗ってさわってそしてよく見て描くことにより、消防の大切さや役割について楽しく学んでもらうため、毎年消防写生大会を実施している。

当初は、夏休みに実施していたが、教育委員会の協力を得て学校行事の一環として実施することになり、昨年は14の幼稚園、小学校で合計702点の力作が出品された。審査会場は、消防本部会議室で、足の踏み場もない程並べられたその作品からは、「僕たち、私たちは火遊びはしません。」という子供達の防火に対する心意気が力強く感じられ、審査をする先生方も優劣をつけるのに毎年大変苦労されている。

入賞者については、秋の火災予防運動期間中に表彰を行い、作品は大型店舗等に展示、また広報紙に掲載することにより広く市民に火災予防を訴えている。

おわりに

火災の多くの原因は、日頃のちょっとした不注意等、日々の暮らしの中で注意をすれば防げるものがほとんどである。当消防本部では、住民の防火意識を高めるため、職員が直接住民と接しながら住民と共に、火災のない明るく住みよい安らぎのある町づくりを目指して、これからも積極的に火災予防に取り組んでいきたい。

(水島 隆志)

 

 

 

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