出困難な状態。マット型空気ジャッキで車体を持ち上げて救出することを指示。敷板等の補助材を活用してブラシを覆っている鉄板前後に、マット型空気ジャッキを設定し、均一に膨張させ救出可能な間隔を作り、15時09分に救出した。
15時15分に医師により救出した3人の死亡が確認された。また、軽傷のC警備員については、応援出動した出張所救急小隊により病院へ搬送させ、救助活動を終了した。
警備員の待機中に、居眠り運転のトラックが突っ込み大惨事を起こしたことはあまりにも悲惨な結末であり、救助隊員としても何ともやりきれない気持ちとなったが、トラック車内から奇跡的な生還をした幼児がせめてもの救いとなった。
おわりに
今回の救助事例は、高速道路上での多数傷者事故で要救助者を安全に救出することはもちろん、救助活動中に二次災害等を考慮して関係機関との連携を重視した事例である。このような交通事故、各種災害の態様も、社会経済の発展とともに複雑多様化するなか、自己隊や資機材による救出方法に固執することなく、他隊、関係機関等相互間の連携を強化して組織的救出方法も大事な事である。
救助隊員は、これまで以上の訓練を積み重ね、安全・確実・迅速な救助活動を行い、住民に期待されるよう努力していかなければならない。
(材木 清豊)
予防・広報
火災のない町づくりを目指して…
高梁市消防本部(岡山)
はじめに
高梁市消防本部は、岡山県の中西部に位置し、西は広島県と接しており、県庁所在地の岡山市からは北西約40kmに位置する。
管内区域は、東西39.5km、南北23.5km、面積674.5k?u、管内人口50,734人で、高梁市のほぼ中央を流れる高梁川沿いの谷底部分は、ほぼ平坦であるが、その他は山間地帯で、吉備高原と言われている。
消防体制は、隣接する5町を消防事務受託で管轄し、1本部・1署、職員64人で、地域の安全のため日夜消防業務に励んでいる。
1 市街地の広報
消防署では、昭和46年6月から市街地の広報を毎日行っている。職員2人が広報車で午後8時から1時間かけてマイクで防火を呼びかけ、その中で防火の時間を家庭は午後9時、職場は午後5時と定め火の元点検を訴え市街地からの出火防止に努めている。この広報を始めてから市街地での大きな火災は、発生していない。
2 住宅防火査察
管内で発生する火災の5割が建物火災で、この内9割以上が住宅火災であることから、住宅防火対策を推進するため、消防署では毎年、住宅防火査察(一般住宅及び独居老人住宅)を実施している。一般住宅査察は、たき火及び暖房器具からの火災が多発する春・秋季に職員2人で各家庭を訪問し、◎住宅用防災機器の説明◎消火器の取り扱い方法◎119番の正しいかけ方 等の指導をしている。
また、独居老人住宅の査察は、12月24日のクリスマスイブに婦人防火クラブ員と共に訪れ、◎火気使用時の注意点◎避難しやすい場所での就寝及び避難方法 等の指導を行って出火防止に努めている。
3 幼稚園児等への取り組み
感受性の強い幼年期の子供達に火災の恐ろしさを知ってもらうため、縫いぐるみを着て寸劇をやり、風船やチラシ配りをする事になったが、市販されている縫いぐるみでは寸劇にあわないため、手作りで作成することになった。幸い他の消防本部ですでに手作りされたものがあり、それを参考に約1箇月間かけ牛・