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ス停留所

(4) 死傷者 7人(死亡3人、重傷1人、軽傷3人)

(5) 気象状況 天候曇、気温13℃、湿度77%、風向北東、風速6m/s

2 出動人員及び車両

(1) 救助工作車  1隊 4人

(2) 本署救急車  2隊 6人

(3) 出張所救急車 1隊 3人(応援出動)

(4) 化学消防車  1隊 4人

(5) 指令車   1隊 2人

(6) 医師搬送車  1隊 2人(医師、看護婦同乗)

3 救急、救助活動

14時22分「長崎自動車道下り17km付近にて、トラックによる追突事故で多数傷者がいる模様」との指令を受け、救助工作車、救急車2台、化学消防車が直ちに出動した。

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高速道の交通事故は大惨事の事例が多く、救助資機材の選択、二次災害等を考慮すると隊員は身体全体に緊張が高まった。

14時29分到着、救助隊は警戒にあたっていた高速交通機動隊から「負傷者7人」の情報を受け、直ちに状況を確認した。

トラックの運転席は原形もなく押し潰され、車内に男性2人(運転手34歳、幼児4歳)が閉じ込められていた。運転手は助手席側に倒れ腹部をハンドルで押さえ付けられ、両足は運転席間に挟まり、すでに死亡と思われ救出するのに困難な状態。幼児は助手席に座った状態で、意識清明で呼び掛けをしたら泣き声をあげたので隊員は安心した。

警備員五人(A31歳、B28歳、C39歳、D41歳、E42歳)のうち2人(A、B、C)は車外の回りでうずくまり、外傷等もなく意識は清明だったが気分が悪いと言うので、2人(A、B)を救急第一小隊が先に病院に搬送した。

警備員Dは、路面清掃車ブラシの下敷きで、警備員Eは路面清掃車と工事用車両間に挟まり、両名ともすでに死亡と思われ、救出するのに困難な状態。

救出作業の長時間かつ、困難性を考慮し、指令室に医師搬送及び、救急隊の応援出動を要請した。また、関係機関へ高速道の通行止め、及び交通整理を要請、化学消防車隊には、二次災害を考慮し警戒筒先を配備させ救出に取りかかった。

救助隊長は、最初、意識のあるトラックの幼児から救出することにした。幼児は車内に閉じ込められているだけで、助手席側ドアを開放すれば救出できる状態。隊員にスプレッダーでドアを開放するよう指示。徐々にスプレッダーを拡げドアを開放し14時35分に幼児を抱き抱え救出、救急第二小隊が病院に搬送した。

次にトラック運転手の腹部を圧迫しているハンドル部を拡張するため、救助工作車積載ウィンチを使用するよう指示。ワイヤーロープをハンドルに掛け、引っ張り、運転席を拡げることができた。運転席ドアは追突したショックで変形が激しく開放に困難な状態。スプレッダーで徐々に開放及び油圧切断機でドア蝶番を切断しドアを開放した。隊員1人を車内に進入させ救出しようとしたが運転手の左下腿部が座席間に挟まり引き出せない状態のため、スプレッダーを車内に入れ座席間を徐々に拡張し、14時47分に救出した。

路面清掃車と工事用車両間に挟まっている警備員Eは、工事用車両を引き離せば救出できる状態なため、救助工作車積載ウィンチを工事用車両前部フックに設定し引き離した。引き離しにより要救助者の身体を開放することができたが、左手甲が路面清掃車バンパー部に挟まり抜くことができないため、スプレッダーでバンパー部を拡張し、14時54分に救出した。

警備員Dは、路面清掃車中央下部清掃ブラシの下敷きで、路面との間隔は約10cm程度の隙間しかなくポートパワーの設定では、救

 

 

 

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