企業ボランティア
起ちあがった若手企業家たち
山梨県甲府青年会議所
山梨県は、総人口八七万八〇〇〇人(平成七年)に対し六五歳以上の高齢者人口は約一四万九〇〇〇人、高齢化率一七パーセントと全国平均より高齢化が進んでいます。甲府市内の若手企業家約三〇〇人が集まる甲府青年会議所は、昨年、地域支援委員会(一三名)をつくり、これから迎える高齢化の中で明るい豊かな地域社会を築くためにはどのような問題があり、それをどのように改善したらよいかを考えるため、「高齢社会の調査研究」を行ってきました。
高齢社会への取り組み方としてはさまざまな要素があり、何からはじめたらよいか非常に迷いましたが、若く健康な我々自身とその家族が一番その状況を実感できず、また考えたくないことでありながら、実際には身近で多く起こっている「介護」をテーマとして取り組むことにしました。これには、一九九六年に甲府青年会議所が行ったスウェーデンヘの研修旅行が大きな影響を及ぼしました。事業は次のように行われました。
2月20日 第1回公開委員会 「甲府市の福祉サービスについて」
甲府市高齢者福祉課による福祉サービスの現状についての講演
4月19日 特別養護老人ホーム介護体験
入浴・食事の介助・入所者との対話などを通じ、コミュニケーションの大切さとお年寄りと話をする時の精神的な部分での厳しさを知る
4月22日 ホームヘルパーさんとの懇話会
ホームヘルパーさんの仕事と在宅介護の現状を知る
5月20日 第2回公開委員会 「ドイツ(フルブライト市)研修旅行についての懇話会」
日本青年会議所が開催したドイツ研修旅行について話を聞き、ドイツ国民の福祉に対する意識の高さを認識
6月7日 老人保健施設の見学
7月14日 第3回公開委員会 「公的介護保険制度について」
山梨県長寿社会課により、公的介護保険制度について理解を深める
8月30日 ボランティア団体 「山梨県ぼけ老人を支える会」との懇話会
活動の内容と現状についてのさまざまな問題点を知る
8月30日 ケアハウスの見学及び懇話会
特養での介護体験や各専門家との会合等も通じて、少しずつ地域参加の芽がふくらんでいく。