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地域の中でできること、やるべきことに取り組もう

多種多様、個性的なグループホームが開設され、それだけ選択肢が増えたことは、私たちの老後にとって明るい展望だ。I子の知り合いでも、「気心のしれた女友達同士、年を取ったら一緒に住もうねって今から約束してるのよ。旦那?通い婚みたいに一ケ月に一回くらい来てくれればそれで十分」とまじめに語る女性もいる。ウーム、私自身はまだ現実的に考えるまでには至らないが、健康なうちに、高齢者が自らの意思で生涯の住みかや暮らし方を決定することは大いに歓迎したいところ。

とはいえ、こうした「結び縁型グループホーム」は、まだまだ初歩の段階で、試行錯誤が続いていることは確か。費用の問題ひとつをとっても、民間の有料老人ホームや介護型のシニアマンションなどと比べればずいぶん安いが、個人にすればそれでも高額の入居金と毎月まとまった生活費が必要な場合は多い。だれでも、というわけにはいかないだろう。

また、運営システムに関しても、地域の医療・保健・福祉・地域ボランティアとの連携が構築されていることが望ましいはず。しかし、残念ながらこうした"ふれあいネットワーク"がつくられている地域はまだ少ないのが現状で、特に高齢者だけで暮らす場合には年毎に問題が大きくなっていくという現実には逆らえない。さらにいえば、住み慣れた地域の中にグループホームが開設される例も今はまだ少ないので、地域との縁が薄いのが実状。「結び縁型グループホーム」でいかに長く快適に暮らし続けられるかは、自分たちも地域でできること、やるべきことに積極的にかかわっていくという姿勢も必要と感じた。

在宅、収容型施設に加え、第三の選択肢として期待される結び縁型グループホーム。家族のきずなが薄れつつある今、自己の意思で共にふれあい暮らす「結び縁」という住まい方、さて、みなさんはどのように感じますか?みなさまの地域ではいかがでしようか?

 

 

 

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