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ふれあいネットワーカーって何だ?

 

堀田 実際に現場を回っての感触はいかがでしたか?

中村 私自身は千葉担当として役割を頂戴したんですが、自分の職場で「ふれあい社会」をテーマにシンポジウムを仕掛けていたんで、それが終わるまであまり動けずに申し訳なく思ってます。そんななかでいくつか現場を回ったときに、ステーションの保健婦さんと長話しして、そうするとつい本音が出てくるでしょ。「高齢者のお宅に伺っていると、もっといろいろとやってあげたいと思う。でも自分は市の職員なので無理。そういう連携のネットワークがあって、草の根団体にもつなげられれば本当にいいのに」と。これを聞いて、ネットワーカーというのは、必要なんだなと改めて実感しました。

稲川 私も、現場で二〇人くらいの在宅お年寄りのケアをしてきたんですが、本当に必要だなあという部分が抜けていた。それがまさにこのネットワークだったんです。一人の人にかかわる場合当然連携が必要ですよね。でも行政には上下関係があったり、同じ日に訪問看護婦さんや入浴の人が来て、かと思うと全然だれも来なかったり。

中村 そういう実例は本当によくある話だよねえ。

稲川 かつて末期ガンの方の通院介助で、みぞれの朝、流しのタクシーがつかまらずに泣きたい思いで一時間以上も立ち続けていたこともあります。近所の人に助けを求められない歯がゆさを痛感して、その後、地域で支え合う輪をつくろうと手を変え品を変え働きかけていますが、まだカタチにはなりません。そんな折、『さぁ、言おう』の誌面でこの事業を知り、ぜひ手伝わせてくださいと申し上げました。私からすれば、支援を必要とする方の立場でかかわる"ふれあいネットワーカー"は絶対必要で、今後欠くべからざる存在になる、と確信しています。

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新名 ふれあいネットワーカーとは何だ、といえば、ぼくは支援を必要とする方たちの潜在的なニーズを発掘する人。そして必要な対策を講じてそれを定着させる人じゃないかと思う。いまのような行政を中心とした連携状況だけで、物をいわない人たちの気持ちを満足させることは絶対できないですよ。真のニーズを発掘して手当てするのがふれあいネットワーカーじゃないかなと思っています。

妻川 私も地元が千葉なんですが、中村さんと一緒に出かけた習志野市では、保健福祉部の方も随時交えて三回くらい話をしました。稲川さんともよく待ち合わせして、世田谷や町田を回り、それで思うのは、ネットワークの基本というのは、自分のテリトリーだけにこだわらずに、常に一段広い視野を持つということじゃないかと。行政でいえば、たとえば高齢者対策部の部長なら市町村長の立場で、市町村長なら知事の立場で、というふうにですね。そうすると先にあるものがよく見えてくると思っております。

堀田 人というのは、簡単にいえば、人とかかわることのわずらわしさと、かかわらないことの寂しさを抱えているんですよ。これまではわずらわ

 

 

 

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