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では、ボランティア・市民互助型団体が指定された事業を併せて請け負う意義は何でしょうか。まず大きなメリットは、何よりも要介護高齢者にとって一番利益になるということでしょう。

「NPO方式」であれば、介護保険サービスと組み合わせて、ボランティアの援助が簡単に、かつ効率的にできるようになります。要介護高齢者から依頼を受けたA団体は、まず、三〇分程度の指定事業者としてのサービスを行います。このサービスは、身体介護が中心です。引き続いて一時間ほど、食事や家事援助や話し相手になり、ボランティア活動として心のケアも行います。同一人物が行えるのがNPO方式の特徴です。

次のメリットとしては、団体の財政的安定です。

現状の謝礼金の額と比較すれば数倍の収入が生まれますから、メンバーに現状以上に支払ったとしても、団体の運営費に活用できる費用は格段の相違になるでしょう。つまり、謝礼金が七〇〇円程度の団体の場合、事務費としては謝礼金の一〜二割程度で、一時間当たり一〇〇円〜一四〇円程度といったところですが、それが事務費として一時間平均一〇〇〇円程度得られれば、一ケ月に五〇〇時間のサービスをした団体は事務費に使える費用が五〇万円ほどにもなるわけです。

日本の「NPO」では、税制上の優遇措置導入にまだ時間がかかると予測されます。ですから、大いに「介護保険法」を活用して団体の財政力をつけることも考慮してよいでしょう。ボランティア団体・市民互助型団体は、自らの培ってきた活動を発展させるために、「介護保険法」と向き合い、要介護高齢者本人がよりよい生活ができるように自らの団体が何をなすべきかを真剣に考えていきたいものです。

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