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一本化されたほうが、利用者にもすっきりしてわかりやすいのではないか。

 

「共存」してよりよい地域福祉を

 

ネックとなっている「さわやか福祉」の解散問題で歩みよりがないまま、既成事実として、公社の委託事業もはじまった。「さわやか福祉」の代表は議論は出尽くしたと判断、「今後の進路」をテーマに臨時総会を開き、団体の解散か否かは会員の無記名投票にゆだねた。その結果は、大差で解散は否決。「さわやか福祉」の活動メンバーは、このでき事を通じて、自らの団体の存在意義を明確に再確認したのだった。代表はいう。

「福祉のまちづくり、地域づくりに参加して在宅介護が無理なく選択できるまちづくりをめざしたい。家族や地域のつながりが希薄化し、硬直した従来の福祉サービスでは到底解決できない。困難を抱えている市民全員に、必要な時に必要なサービスが柔軟に提供されるために、助け合いの輪を広げていく役割が私たちにはあると思っている」

代表はこの結果を公社側に伝えて、"政治折衝"に入る。公社側の反応は素早かったようだ。投票結果に対してトップの判断が働いたのか、市側は「さわやか福祉」解散という条件を取り下げた。その後両者の協力事項や住み分けなど話し合いはスムーズにすすみ、「解散」の条件さえ出さなければ、最初からギクシャクしないで到達できたであろう姿に落ち着いた。

では市側はなぜ、当初、地域に根付いて活動しているボランティア団体の解散を要求したのか?

実はこの質問に明確な回答は得られておらず、あえて推論を示すのはここではやめておく。市側責任者への取材では、かつて問題の部分はサラリと流し、今後の協力関係に重点を置いた口調だった。

「市としては立派な設備もできつつあり、老人の在宅介護分野で、市の委託事業だけではというので市民参加の活動をやることになり、『さわやか福祉』のご協力を願った。解散という条件は、交渉ごとのスタートとして、こちらの当事者がそうした図式を示したのでは。これから双方が補い合って仕事を進めるわけだが、差し当たり考えてい

 

 

 

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