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れるサービスの内容には、一定の限度が設けられている。給食や移送などのサービスは対象にはならない。いったい、こうした一般的な生活支援はどうすればよいのか。

身体を看てもらうだけで、食事もせず掃除もせず、着たものも替えずに生活できるわけがないのだから、介護の仕組みの中で、必ずそうしたサービスもせざるを得なくなる。そうなると、当初身体介護ということで資金計画を立てて発足した制度も、実は、介護の名目の中で、こうした支援もやらざるを得なくなり、ますます金も人も足りなくなって、破綻に行き着くという構図になってしまう。こと細かな生活援助などまで手を出せば、人数も財源もあっという間にパンクしてしまうだろう。

 

身体介護と並んで重要な「心」のサポート

■ こうした破綻の見事な例が医療だろう。病院に入院すると生活が伴う。病院の看護婦は、一つは医者の補助、そしてもうひとつ、患者の生活援助を行っている。本来、通院でも治療できるのに、家で面倒を見てくれる人がいないために入院するという社会的入院患者が増え、それに応じて施設も不足し、マンパワーも追いつかなく

 

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