らない、ということなのです。各種の調査によれば、六割の人々はボランティアヘの参加希望者です。何かしたい人が多いのです。
人を集めるためには、ボランティア団体と企業との相違をしっかりと知っておくことです。企業はお金で人を集めます。初任給のよいところ、将来性のある(生涯賃金が高い)ところに人は集まるのです。ただ、そうした目的でこのような企業に集まる人は、偏差値は高いでしょうが、それ以上でも以下でもないでしょう。証券会社や大銀行のメチャクチャな行為を見ると、お金だけで、いい人を集められないことがわかります。
これに対してボランティア団体は、「夢」で人を集めるのです。人は二つの夢を持ちます。個人として家庭人として経済的にも健康にも恵まれるという個人べースの夢です。他の一つは社会的なもので、誰もが幸せな社会をつくりたいという夢です。自分の住んでいる地域で不幸な人、困りごとを抱えている人がいると落ち着かないのです。人がこのような善意の持ち主ばかりだとはいいませんが、少なくともボランティアをしたいと思っている六割の人はこのような感覚を持っています。
従って広く人を集める時には次の点を留意してください。
? 団体の目的(使命=夢)を明確にする。
? 活動の内容、時間等を具体化し、誰でも気軽に参加できるように工夫する。
? この活動が発展することによって、地域社会がどのようになっていくのか(夢)を明示し、そこで活動することが「自己実現」の場であることをアピールする。
さて、みなさんの団体のチラシや案内状はこのような条件を満たしているでしょうか?次号は、人の育て方を考えてみましょう。
※ ボランティア団体設立・運営に関する質問がありましたら、どうぞ編集部までお寄せ下さい。