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のか。

守屋 脆(もろ)いっていうんでしょうか、周りから見ているだけで、わかりますね。

堀田 そうなんですよねえ。ただこの議論の過程で「人間総合学科を設けて縦割りの知識の詰め込みをやめよう」といいながら、「では、そのテーマは何にするか」「それをどういう方式で教えようか」などと、従来の発想からまるで抜け切れていない。人間総合学科というなら、全部学校にまかせ、先生にまかせ、生徒にまかせるべきなんです。私なんかずいぶん大胆なことを発言してますが、孤立してます(笑)。これは牢固たるものがありますね。

守屋 それは学校だけじゃなく企業でも同じでしょう。日本の企業は非常に社員研修に熱心で、至れり尽くせりです。戦力として養成するのは非常にうまいけれども、個性がなくて、型から抜け切れないんですよ。

堀田 日本の高齢者もずっとそういう時代に生きてるから、自分が楽しもう、自分なりの生き方をしようというのがないんですね。もっと自分を大切にしてほしい、それと、もっと積極的に主張していいなと感じてるんです。大きな傾向として、今の六〇代後半から八〇代くらいの方は、お上や他人の世話になるのを潔しとしない感覚がありますね。私どもボランティアを推進している立場からみると、自分でやれることは全部やっていただくとして、やれないことは「散歩したいから車イスで連れてってよ」ぐらい、もっと堂々といって自分を生かしてほしいなと。

守屋 確かに私も中国の社会と比べてちょっとお年寄りが遠慮しすぎて

 

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