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いて、諸外国に比べるととても多い。でも仮にこの数字であっても、残りの八〇数%の高齢者はちょうど私のように「口が悪いわ、元気がいいわ」(笑)。

堀田 いえいえ、とってもチャーミングですよ(笑)。

庄子 (笑)。だいたい高齢者の仲間だけが固まって高齢者のことだけを考えるから、話がだんだん沈んでいくんですよ。それで「ゲートボール」「温泉」「カラオケ」の三点セット以外の新しい発想が生まれてこない。高齢者だけのことじゃなしに社会全体のことを考える、これからは社会のために何か役立つ人間として生きていくんだという考え方に切り替える必要があるんです。

堀田 (うなずく)。

庄子 この間お亡くなりになった杉村春子さんは死ぬまで舞台に執念を持っておられた。役者は死ぬまで舞台に立つものなんだという思い。ああした考え方を全国の高齢者が持ってくれたら世の中変わると思います。

 

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高齢者の潜在パワーでバラ色の高齢社会ができるんですよ。

堀田 まさにそういう思いの方たちが集まって生まれたのがシニアネットワーク仙台ですよね。新聞の連載記事をきっかけに、ワァーっと集まってこられた。そのあたり、立ち上がりの頃のことをもう少し詳しく教えてください。

庄子 『河北新報』の「夕陽は沈まない」という六ヵ月のキャンペーンで「こんなことを考えているから力を貸してほしい」という話があったんです。私自身、「そんなのを待ってたよ、手伝わせて」と飛びついた。

堀田 庄子さんも「外へ出てやろう」という思いが溜まっておられた。

庄子 もうムシャクシャしていて(笑)。

堀田 なるほど(笑)。

庄子 その企画では、若い新聞記者、カメラマン、そして私ども高齢者が「きらきら探偵団」と名乗って四人一組の編成で全国を回ったんです。おもしろかったのは、夜、宿でインタビューの結果を若い新聞記者と話し合うんですが、時として見方、感覚、感想が若い人とぜんぜん裏腹になる。そんなことが何回かありました。そうして連載を重ねていくうち

 

 

 

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