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「事務局長を公募します!」

あれは確か今年の三月上旬頃。堀田理事長が定例ミーティングの席上、「神谷君の後任事務局長については、公募することにしたい。募集期間は四月いっぱい。五月末までに新しい事務局長を決定する。公募の方法については神谷君に任せる」との発表があった。一瞬みな沈黙。そしてホォーと驚く人、苦笑いを浮かべる人…。苦笑い組は、私を含めて各グループリーダー他、その数日前にすでに相談というか聞かされていた面々だ。苦笑いとは、堀田力という人は、いつも人が普通に考えないようなアイデアを出す。そしてそれは非常に卓越したものなのだが、実際の実行部隊の我々にとっては、常に重い宿題になるということを、身をもって感じているからだ。

私ごとで恐縮だが、これに至る経緯を簡単に説明すると、新日本製鐵から平成六年の四月に財団に出向して三年が過ぎ、今回、会社からの辞令で別の会社に異動することになった。当初二年間というのを一年間延長してもらった経緯もあり、昨年から実質的に事務局を任されても、取りあえず急場の事務局長代行という肩書でやらせていただいていた。が、いよいよ話が具体化してきて異動は六月。「後任を探してください」と堀田理事長にお願いしたのが、この「事務局長公募」へのスタートとなった。そして今回、私がさわやか福祉財団を去るに当たって、卒業試験ともいえるもっともむずかしい課題を託されてしまった…。

 

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財団事務所から見た東京タワー、六本木方面。外にはのどかに緑が広がるが、事務所内はいつも喧騒に包まれて……。

 

 

 

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