連載? ボランティア団体設立・運営Q&A
田中 尚輝
全国高齢化社会研究協会事務局長を経て、現在(社)長寿社会文化協会理事。又、さわやか福祉財団嘱託としてふれあい社会づくりネットワーク部門を担当。主な著書に「高齢化時代のボランティア」(岩波書店)、「市民社会のボランティア」(丸善ライブラリー)。
■ 市民互助型団体のマネジメント(その1)
Q ボランティア団体・市民互助型団体を運営するにあたって、どのようなことを心掛けなければならないでしようか?
これまで五回にわたって、自治体とボランティア団体の関係について触れてきました。ここから、少し離れてボランティア団体の運営について考えてみましょう。まず、その基本的なことから整理しましょう。
「自己満足」と「自己実現」
私個人が、団体の運営に興味を持ったのは、自分の所属する団体の運営が大変に苦しく、絶えず人とお金の不足に悩み、また組織としてスムーズに機能させることにも大変苦労した経験を持ったからです。私の活動の歴史の多くは、団体の運営をどのようにすれば、上手にできるかということを絶えず考えていたといってよいし、これは今も続いているわけです。
なぜ運営について悩むかといえば、自分が考えている目的を達成するには、団体を力強くしていかなければならないわけで、それには「人・物・金・情報」が必要になるのです。