「厚生省のモデル案だと、ヘルパーさんが週に一、二回、二時間くらい来てくれて、必要なら訪問看護も週に一回。あと、日中預かってもらうデイサービスが必要に応じて週に一、二回」
「それじゃ、誰も来てくれない日も、週に三、四日はあるわけで?」
「そうなるね。もっとも入浴の時に四〇分ずつ、一日おきに来てもらうって形も、業者がやってくれれば、できるわけだ」
「なるほど。一応仕組みはわかったが、あっしの勘じゃあ公的介護保険ができたって、とっても安心できませんやね。だんだん不自由になってきた時に、この日のこの時間に訪(い)って、二時間いますといわれたって、それ以外の時間にしてほしいことができた時、どうするんだってことでさ」
「そのとおりさ。だから、いつでも声をかけた時にさっと来てくれる人がいるし、保険でやってくれないことっていっぱいあるからさ。給食サービスとか、病院等への送迎サービスとかね」
「それに、さわやか福祉財団がいってるふれあいボランティア。一緒に食事しながらお話ししたり、天気のいい日は車イスに付き添って散歩したり。心のふれあい。こいつは、家族とボランティアの役割だ」
「そのとおりさ。それがないと、身体のお世話をしてもらっても、淋しくて一人で家にいられなくなる。といって、そこまで公的介護保険でやれば、保険料が高くなって制度がパンクしちゃうからね」
「いやあ、ご隠居。そこそこ、あっし程度にゃあ勉強してますね。横町のオトメ姿さんが惚れ直しますぜ。じゃ、バイバイ」
「何が、バイバイだ、この野郎。行っちまいやがった」