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巻頭言 ●NO.13●

 

ボランティア支援の動き

● 堀田 力 さわやか福祉財団理事長

 

この三月で、私が座長をつとめた二つの研究会が終わり、それぞれに提言をまとめた。

一つは、全国社会福祉協議会が主催した三年越しの研究会で、正式には、「ボランティア活動に対する社会的支援策のあり方に関する調査・研究委員会」という。メンバーは、上智大学の栃本一三郎さん、三菱電機の渡邊一雄さん、大阪ボランティア協会の早瀬昇さんら、多彩である。

初年度は、阪神淡路大震災後まもなくの時期に、NPO立法を提言した。届出主義や税務署長の認定による税制優遇措置などを提唱しており、その後次第に盛り上がっていったNPO立法運動のさきがけとなったと自負している。

二年度は、地方自治体のボランティア支援策について提言した。対等のパートナーであるという原則を貫いたうえでさまざまの支援策を提言しており、これも全国の地方自治体にずい分活用されたと聞いている。バイブルだといってくれたところもある。

本年度が最終年度で、提案は、「社会貢献マーケット」を各地につくろうというものである。

企業にしても労組にしても、ボランティア団体を支援しようとしても、どんな団体をどのように支援すればよいのか、手探りの状態で、もう一つ確信が持てない。これは、中間支援団体である共同募金会、社協、国際ボランティア貯金、日本財団などの助成財団や、地域の福祉基金についても、大なり小なり、共通した悩みである。

一方、ボランティア団体は、おしなべてお金にピーピーいっているが、どこへどう行ってどう自分たちの活動を売り込めばよいか、こちらもさっぱりノウ・ハウがない。特に小さな草の根団体ほどそうである。

そこで、支援しようとする方と支援を求める方とが同じところに集まって、活動内容や支援の仕方などの情報を一斉に交換する「マーケット」をつくろうというのである。

昔、四日市場とか八日市場とかがあって、地域の人々が集まって、現物を見ながら自分に一番ぴったりくるものを選んだように、「社会貢献」の市場を開けば、支援する方も、もっともっと納得できる支援先や支援の仕方が

 

 

 

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