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これに対してWide area augmentation systems(WAAS、EGNOS、MSAS)はおおよそ2000年迄にintegrity warningsとDGNSSをサービスとして提供する予定である。

その他にもFM放送送信機、セルラジオ、長波と短波の送信機を用いた民間ベースのDGNSSサービスがある。

ユーザーはDGNSSの精度が5mよりも良好なることを期待できる。これはロランCの伝播の追加的二次要素(ASF)の数値を連続的に正確にに更新し続ければ実現することである。

DGNSSのデータの送信はロランCの場合、ラジオビーコンより少ない局数を利用して行うことが技術的に可能である。従って必要な機器の数もそれだけ少なくなる。しかし、ラジオビーコンは既に海上航法用にDGNSSを送信する手段として国際的に受入れられている。これに対して現在のところEurofixとロラン/チャイカはワールドワイドに受入れられる標準にはなっていない。Eurofixはヨーロッパだけのシステムに過ぎない。

両システムの精度は非常に似通ったものになるであろう。しかし、Eurofixの利用可能性はまだ不明な点が多く、バックアップのシステムが必要とされる。

 

今後の見通し

 

米国のコーストガードがロラン局から去って後、我々は地中海における運用を再開できずにいるので、将来について何か予想を立てることは非常に難しい。

従来と同じ地中海GRIチェーン上に(Kargaburun局に代わるものとして)Simferopolを設置し、一時的に局の配置を整えることによって、新たな希望が生まれてくるかも知れない。しかし、そのカバー範囲はアドリア海とイオニア海に限定されるであろう。一方西地中海は依然としてEstartit局が使えない影響を受け続けるであろう。フランスと協力してPerpignan近くに局を新設すればシステムは2010年迄、生き長らえる可能性が強い。それは1992年2月25日の'92/143/EEC決定の趣旨にも沿うものである。

これ迄、我々は電波放送システムと受信機の技術的進歩を目の当たりにしてきた。地中海は依然として旧態依然たる送信機と付き合っている。即ちScllio Marina, Estartit及びKargaburunの各局で使用するAN/FPN-39とLampedusaで使用するAN/FPN-44Aである。1950年代の努力が1960年代に実った技術である。

将来のロランを計画する場合に、今後の見通しが1970年代初期のソリッドステートの送信機に基づく場合にはどのような種類のヨーロッパの未来計画となるであろうか?

米国はロランを2000年迄に廃止すると発表した。彼らはその考えを変更するかもしれない。しかし、一旦このような発表があるとメディアを通じて世界中に広がり、米国やヨーロッパでは放送システムのより優れた技術を求めて受信機のメーカーや研究者の中にはロランの生産や研究をとりやめようという動きがある。

真空管製の送信機用の発電機はソリッドステートの送信機のそれよりも5倍も高価である。超長波(VLF)放送に伴う問題は大型のアンテナタワーの問題と共に良く知ら

 

 

 

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